地図開発プラットフォーム「Mapbox」を提供するマップボックス・ジャパン合同会社(以下、マップボックス社)では、国立大学法人東京大学、ソフトバンク株式会社および小田急電鉄株式会社の3者が研究開発する「次世代AI都市シミュレーター」の実証実験において、デジタルツイン*1の構築及びデータ表示ツールとしてMapboxが採用されました。様々なデータやAIが予測した膨大な情報を、デジタルマップ上に分かりやすく可視化する目的で使われています。
*1:現実世界の情報をもとに、仮想世界に現実と同じ環境を再現し、様々なシミュレーションを行う技術
Mapboxが採用された「次世代AI都市シミュレーター」はBeyond AI 連携事業の研究テーマの1つで、人々の 流れや行動の予測に基づき行動変容を促し、新たな人流を創出する技術です。この実証実験では、デジタルツインを用いてデジタル空間上に海老名駅周辺エリアを再現し、現実空間での人流・交通・購買・来訪者などの属性データについて、過去・現在、そしてAIが予測する将来の姿を表示します。これまでの試験で、インセンティブ(動機付け)が行動変容に与える効果について検証されており、商業施設への来館状況や売り上げ向上の効果を予測し、複数の店舗での買い回りやイベント後の購買などの行動変容を促す人流誘導アルゴリズムが開発されました。
次世代AI都市シミュレーターでは膨大かつ多種にわたる情報を扱うため、デジタルツインのベースとなる仮想空間(デジタルマップ)には、高い視認性や動作の滑らかさが求められます。さらに、実証実験段階であることから、デジタルマップの改修が容易であることも不可欠です。
地図開発プラットフォーム「Mapbox」は、カラーリングをはじめ地図を自由にデザインすることができ、ローコードで改修も容易です。特に、レイヤーごとに地図データの表示・非表示が選択できるため、ラベルや道路などのレイヤーを取捨選択し、訴求したい情報のみを見やすく表現できます。また、地図に載せる情報は3Dグラフやヒートマップなど多彩な形式で表示可能です。さらに、SaaS型*2のためシステムが軽く、大量のデータをインポートしても、地図の回転やズームイン・アウト、表示情報の切り替えやポップアップ、アニメーションなどあらゆる動作が滑らかです。こうした特長から、膨大なデータを直感的・感覚的に把握できる地図を開発することが可能で、この実証実験における様々な分析に貢献しています。
*2:一般的には表示する情報のデータ全てをシステム上に保存するため重くなるが、Mapboxはクラウド上にデータを補完して表示結果のみを保存する
■ソフトバンク株式会社様コメント(テクノロジーユニット AI戦略室AIソリューションデザイン部デザイン2課 課長 加藤 大造様)
Mapboxが持つ高い拡張性と、それを取り巻くエコシステムにより、求めていた機能を簡単にかつ高品質に実現する事ができました。特にMapbox GL JSは、直観的に利用できスピーディーな開発に貢献しています。