株式会社大黒屋は、進化したAIシステムの導入により、ECサイト内のブランド品に対して1日最大10万件の自動買取オファーを可能にしたと発表した。5月26日より新システムを導入し、従来の人力査定を自動化することで査定効率の大幅向上を実現している。

新AIシステムは、ECサイトに出品されたブランド品等の全商品をAIで分析し、査定金額をベースにした買取価格を自動提示する。出品者が価格に同意した場合、通常のEC取引と同様に商品を発送し、サイト側での確認後に買取が成立する仕組みである。
5月26日から28日の3日間のテスト運用では、最大24.3%の承諾率、最大9.6万円の買取単価、合計7,600万円の買取総額を記録した。1日のオファー件数は1,071件から1,452件の範囲で推移している。
新システムの主要機能として、Google Vision AIによる商品情報の自動抽出、大黒屋の店頭買取チームによるデータ補正とフィードバック機能、リアルタイムデータ処理機能を搭載している。また、プラットフォーム上の商品情報を自動検出し、他社写真の無断使用や商品情報との齟齬を検出する不正利用者検知機能も備えている。
同社は今後、複数プラットフォームと段階的にオファーを増やし、早期に1億円/日の買取を目指すとしている。長期的には大黒屋全体として1日最大2.34億円、年商856億円規模の取引を見込んでいる。このAIシステムアップデートにより、ブランド品二次流通市場の流通量拡大と循環型社会の促進に貢献していく方針である。