任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」が発売から約3ヶ月を経過し、その実力と課題が明確になってきている。携帯モードとTVモードの両方でオーバーヒートが報告されており、ユーザーからは改善を望む声が相次いでいる。
携帯ゲーム機と据え置きゲーム機のハイブリッドという特徴を受け継いだSwitch 2は、約5万円という競合機と比べて手頃な価格設定を実現。しかし、この価格設定を可能にしたのは、やや古い世代の半導体チップを採用したためと見られる。様々なゲームメディアでも書かれているが、Switch 2には8nmプロセスのチップが使用されている可能性が高い。これは、PlayStation 5やXbox Series X|Sで採用された7nmチップよりも古い世代の技術となる。
実際、任天堂の看板タイトル『ドンキーコング バナンザ』でもフレームレートの低下が確認され、任天堂自身もこの問題を認めている。SNS上では「価格は魅力的だが、性能面で物足りない」という声が目立つ。
一方で、Switch 2は新しいGPUアーキテクチャや超解像技術を採用することで、性能面での不足を補う設計を採用。ゲーム開発者からは「時間とともに最適化が進み、現在の課題は徐々に解消される」との見方も出ている。ハードウェアの性能以外にも、サードパーティ製ドックが使用できない仕様についても議論を呼んでいる。これは任天堂が意図的に制限をかけているとされ、ユーザーからは「不必要な制限ではないか」との批判の声も上がっている。
スマートフォンが10万円を超える時代において、Switch 2は価格と性能のバランスを重視した選択を行ったといえる。しかし、ハードウェアの制約や機能制限については、今後のアップデートやユーザーフィードバックによる改善が期待されるようだ。
文/進藤昭仁