順天堂大、医学生の「AI受容度」を可視化 国内初の評価尺度を開発

医療現場でのAI(人工知能)導入が加速する中、それを使う側の「意識」を客観的に測る新たな指標が登場した。

順天堂大学医学部などの共同研究グループは、医学生や研修医がAIに対して抱く期待や不安を定量的に評価できる日本語版尺度「12項目AI態度尺度(ATTARI-12)」を開発・検証した。研究成果は、国際学術誌『JMIR Medical Education』に掲載された。

https://www.juntendo.ac.jp/news/26124.html

導入の「壁」となる心理的要因を特定

臨床現場や医学教育においてAI活用は不可欠なものとなりつつあるが、個人の受容性や心理的な抵抗感には大きな差がある。これまで国内には、こうした態度を体系的に測定できる信頼性の高い尺度は存在しなかった。

研究グループは、欧米で開発された尺度を基に、国際的なガイドラインに則って日本語翻訳版を作成。全国の医学生・研修医326人を対象に調査を実施した。

解析の結果、尺度の内的一貫性を示すクロンバックアルファ係数は $0.84$ と高い値を示し、統計学的な信頼性と妥当性が確認された。この尺度は、AIに対するポジティブな項目とネガティブな項目(反転項目)の計12個で構成され、学習者がAIをどのように認識しているかを「可視化」することを可能にする。

AI時代の医学教育を最適化

今回の評価尺度の確立は、単なる意識調査にとどまらない意義を持つ。教育機関は、学生のAIに対する態度を事前に把握することで、不安を解消するためのカリキュラム設計や、教育効果の客観的な評価が行えるようになるからだ。

順天堂大学では2026年より、文部科学省の事業として「医療とAI」をテーマとした新たな履修プログラムを開始する。同プログラムでは本尺度を活用し、学習前後での意識変化の測定や、国際間での比較研究、さらにはAIに対する態度が「患者の安全」や「臨床現場での活用行動」にどう影響するかといった分析も進める方針だ。

AIという「道具」を使いこなす次世代の医師育成に向けて、その心理的準備状態を測るインフラが整ったと言える。

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