歩数や心拍数の計測ができ、体調管理にも役立つ「スマートウォッチ」。近年スマートウォッチのヘルスケア機能を診察に利用する、「スマートウォッチ外来」を設ける病院が増えています。そこで今回は、病院との連携で病気の早期発見にもつながるスマートウォッチの活用法について解説していきます。
スマートウォッチが不整脈の診断に有効?
スマートウォッチの代表格と言えるのがアップルウォッチです。様々な機能を持つアップルウォッチですが、シリーズ3以降では「光学式心拍センサー」が内蔵されていて、不規則な心拍の通知が可能。またシリーズ4以降に内蔵されている「電子式心拍数センサー」を利用して、心電図を計測する機能も。不整脈に最も多い心房細動の兆候を感知できます。
実は厚生労働省からも、アップルウォッチの「家庭用心拍数モニタプログラム」や「家庭用心電計プログラム」は家庭医用医療機器として承認されています。そのため、スマートウォッチで記録したデータをもとに診断する「スマートウォッチ外来」が増加中。病院によってはアップルウォッチ以外のスマートウォッチユーザーも受診が可能です。
「スマートウォッチに不規則な心拍が出てきて心配」「動悸がした時にスマートウォッチで心電図を記録したから診てほしい」という時に、記録したデータが診断に役立てられます。
オンライン受診が可能なところも!
スマートウォッチ外来を受診するには、心電図や心拍数のデータを「印刷したものを持参」します。病院によっては事前にデータを「メール送付」するか、スマートフォンの記録を「その場で医師に見せる」ことで受診が可能なところも。
さらには、病院に行かずにデータの送付や予約・診察・支払いまで全てをおこなえる「オンライン完結型」のスマートウォッチ外来も登場しています。忙しくてなかなか病院の受診ができない人にとって、脳梗塞や突然死につながる可能性がある不整脈の早期発見の一助となるでしょう。
ちなみにアップルウォッチは心電図の他にも、血中酸素などかなり高度な計測も可能です。それだけでなく、動きや心拍数を検知して「深い睡眠」「レム睡眠」「コア睡眠」など睡眠を分類してくれる機能も。睡眠障害の軽減や無呼吸症候群の発見にもつながり、心身の不調改善や不眠からくる精神疾患の予防にも役立てられます。
手軽に健康データを計測できるスマートウォッチ。医療との連携が進むほど、病気の早期発見や重症化予防につながり、助かる命が増えるかもしれませんね。
ライター:米山大樹
ビジネス情報系の出版社で編集・ライティングを経験後、2020年に独立。現在はテック系、ビジネス系、ネット上のトレンド系のネタを中心に各種メディアで記事を執筆している。