ホームセンター大手のカインズが、一部店舗に最新技術を活用した接客システムを導入した。株式会社kiwamiが開発した「xR Cast HoloPhone」と呼ばれるこのシステムによって、アバターを使った遠隔接客が可能になる。
この新しいシステムでは、店舗にいるスタッフと遠隔地にいる専門スタッフが協力して顧客対応を行う。顧客は、タブレット端末を通じてアバターの姿をした専門スタッフと対話しながら、より詳しい情報を得られるという仕組みだ。
専門知識と人手不足、一石二鳥の解決策
この取り組みには、二つの大きなメリットがある。
まず、専門的な知識を持つスタッフが複数の店舗に同時に対応できるため、各店舗での人材確保の課題を解決できること。次に、顧客にとっては、より専門的な相談がその場で可能になり、サービスの質が向上すること。
カインズでは、このシステムをリフォーム案内から導入を開始した。住宅リフォームのような専門性の高い分野では、こうした遠隔での専門家によるアドバイスが特に有効だと考えられている。
デジタル技術で変わる店舗の未来
xR Cast HoloPhoneは、単なる通話システムではない。顧客との対話に特化した設計で、アバターや実写での対応、画像や動画の共有など、状況に応じて柔軟な使用が可能だ。また、導入も比較的容易で、ネット環境とタブレット、PCがあれば最短1週間で運用を始められるという。
開発元のkiwamiは、この技術を「未来のお店」を作り出すための重要な要素と位置付けている。労働人口の減少が社会問題となる中、AI や3Dホログラムなどの先進技術を活用し、省力化と顧客満足度の向上を同時に実現することを目指しているのだ。
今回のカインズへの導入は、小売業界における新たな接客スタイルの幕開けとなるかもしれない。