オープンソースAIの開発を推進する国際コンソーシアムAI Allianceは、2025年6月26日、東京で記者会見を開き、AIを活用した新たなプログラミング言語「Dana」と産業用エージェント・フレームワーク「OpenDXA」を公開した。同時に、日本における研究支援と産業応用を加速する地域グループ「AI Alliance Japan」の設立も明らかにされた。
AI Allianceは、AI技術の透明性と協調的発展を掲げる非営利組織である。今回発表された「Dana」は、意図駆動型開発(intent-driven development)を可能にする世界初のAIプログラミング言語。開発者が「何をしたいか」を明確に示すだけで、AIが自動でコードを生成する仕組みを備える。開発を主導したAitomaticの創設者クリストファー・グエンは、「AIネイティブな開発の時代が始まった」と語った。
一方、「OpenDXA」は、産業分野に特化したAIエージェント・フレームワークであり、製造や輸送など、専門的な知見を要する分野での応用を想定。複雑なワークフローを扱う現場で、エンジニアと密接に連携しながら説明性の高いAIシステムの構築を支援する。
これらの技術は、AitomaticやIBM、NECなどAI Allianceの各メンバーによる共同開発によって生まれた。ブラックボックス化を避け、フォールト・トレラントかつ透明性の高いAIを目指す点に特徴がある。
さらに、日本市場向けの支援体制として「AI Alliance Japan」の設立が発表され、初期メンバーには三菱電機、国立情報学研究所(NII)、さくらインターネットなどが参加。特に日本独自の文化や経済構造に対応する「ソブリンAI」の開発を重点とし、今後の研究プロジェクトとしてNIIが主導するLLM-jp(国産LLM)も紹介された。
今後、AI Alliance Japanを通じた共同研究や開発イベントも予定されており、関心のある企業や研究者にとって、新たな連携の場となる可能性が高い。詳しい情報は公式サイト(https://the-ai-alliance.github.io/japan/)で確認できる。