大阪に本社を置く老舗ゴムメーカー「錦城護謨」が、視覚障害者の屋内移動を支援する「歩導くんガイドウェイ」という新製品で、社会から大きな注目を集めています。この製品は、視覚障害者だけでなく、車いす利用者や高齢者など、移動に制約を持つすべての人々が安全に移動できるようにデザインされています。
この革新的な歩行誘導マットは、全盲の開発者の個人的な経験から生まれました。彼は、公共施設や病院などの屋内で、誘導路がないために自分の目的地に独立して移動できない不便さを実感しました。その経験が、このユニークなソリューションを生み出すきっかけとなりました。
「歩導くんガイドウェイ」は、白杖や足裏の感触を通じて視覚障害者を安全に目的地まで誘導することができます。その設計は、無凹凸の表面となだらかな傾斜を特徴としており、誰もが自由に移動できるユニバーサルデザインを採用しています。また、設置も簡単で、既存の建物にも柔軟に対応可能です。
この製品は、2024年にソーシャルプロダクツアワードで「優秀賞」を受賞しました。審査員は、この歩行誘導マットが持つ社会的な価値と、視覚障害者の生活の質の向上に対する貢献を高く評価しています。また、この製品は、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けた「誰もが自由に移動できる社会」の構築に貢献しています。
錦城護謨は、この製品を通じて、屋内環境での視覚障害者支援の必要性の認知を広げ、さらに多くの施設での導入を目指しています。また、豊富なカラー展開や特注色の製作により、既存の建物はもちろん、新たに設計される建築空間へのインクルーシブデザインへの取り組みも促進していきます。