リクルートの外食市場の調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、外食のプロフェッショナルを集めた「トレンド座談会」を開催し、忘年会に関するアンケート結果を公表した。調査は20代~60代の男女1,035人を対象に実施した。
会社・仕事関係の忘年会について、「参加したい」「どちらかというと参加したい」を合算した参加意欲は36.9%と約3分の1にとどまった。一方で年代別では30代が43.0%で最も高く、20代が41.8%で続く。50代は31.8%、60代は32.0%で、年長層より若手の方が参加意欲が高い傾向だった。

対照的に、友人知人との忘年会は「参加したい・計」が74.6%と高水準で、全年代でおおむね7~8割が参加に前向きである。年末の会食需要は“職場”より“プライベート”で強い構図が浮かぶ。
店選びでは、0次会から2次会まで「居酒屋」がいずれも1位となり、一次会では過半数が支持したという。もっとも、0次会や一次会では「和食料理店(寿司・割烹など)」が上位に入り、一次会では「中華料理店(餃子酒場なども含む)」も3位(19.2%)と一定の存在感を見せた。0次会では「喫茶店・カフェ」も3位(19.1%)に入っており、集合前の“軽い合流”や短時間利用のニーズがうかがえる。三次会は「カラオケ」が31.0%で1位となり、二次会以降の目的が「会話」から「娯楽」へ移っているようだ。
時間帯の理想は「18時~19時ごろ開始、21時ごろ解散」が61.5%で突出した。加えて、2位に「12時~13時開始、14時~15時解散」(11.5%)が入り、夜ではなくランチ帯で完結させたい層も一定数存在する。長時間化を避け、生活リズムを崩さない設計が“令和の最適解”になりつつある。
参加目的では「同僚と親睦を深める」(25.0%)が最多で、社内の関係づくりが中心である点は変わらない。ただし「普段食べられない贅沢な料理を食べる」や「思い切り食べる」といった“食”を重視する回答も上位に入っており、企画側には会の意義を「交流」だけでなく「体験価値」に落とし込む工夫も求められそうだ。

