AI技術の社会実装を推進する松尾研究所と、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループは12日、多様な生活者像をモデル化する「AIペルソナエージェント」の共同研究開発を開始したと発表した。CCCが持つ膨大なライフスタイルデータと、東大発の先端AI技術を融合させ、人間への深い理解に基づいた「人間中心のAI」の構築を目指す。

「購買」と「言語」の融合が開発の鍵
本プロジェクトの成否を握る鍵は、アンケートなどの「言語データ」に、購買履歴などの「実際の行動データ」を掛け合わせる点にある。従来のマーケティングで用いられてきたペルソナ(典型的なユーザー像)は、属性情報や主観的な回答に頼る側面が強かった。これに対し、本研究では実データに基づき、考え方や行動の傾向をAIが理解・活用しやすい形に変換することで、より解像度の高い「動的なペルソナ」を生成する。
松尾研究所はアカデミアの先端技術を産業界に繋ぐ知見を提供し、CCCは「カルチュア・インフラ」として蓄積してきた知的資本を投入する。両者は、研究としての新規性と、実務における実用性の両立を追求する構えだ。
倫理と透明性を重視、産業全体の高度化へ
膨大な個人データを扱うにあたり、両社はガバナンス体制を強化し、データの取り扱いやAI活用における倫理・透明性を最優先事項に掲げている。目的外利用の防止やデータ保護を徹底した上で、社会から信頼されるAI活用のあり方を探る。
開発された仕組みは将来的に、企業のサービス改善やマーケティング支援といったソリューションとして提供されるほか、業界を超えた汎用化も視野に入れている。

