2月16日都内にて、一般財団法人エン人材教育財団が、第4回CSA賞~20代に薦めたい『次世代型人材』創出企業〜授賞式を開催。本賞を受賞した株式会社クラダシとロート製薬株式会社の2社に加え、審査員として、エン人材教育財団理事長の越智通勝氏、一橋大学ビジネススクール国際企業戦略専攻客員教授の名和高司氏、国際社会経済研究所理事長の藤沢久美氏、シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役の渋澤健氏が出席した。
CSAとは「Career」「Select」「Ability」をかけ合わせた造語「CareerSelectAbility」の略称で、日本語ではキャリア自己選択力と表現される。これは、自らキャリアを切り開くという能動的な視点で考えられた力であり、どんな環境に置かれても活躍できる力を意味する。準じて、CSA賞は、若者を鍛え、活かす国にしたいという思いから創設された、これからの社会で必要となるビジネスパーソンを育てる力を持っている企業に光を当てる賞である。
授賞式冒頭、エン人材教育財団理事長の越智氏は、日本経済が働き方改革に象徴される優しさ競争に入っていったことに対し、「心理的安全性という言葉もよく聞くようになりましたが、正直私はあまり好きではありません。もちろん厳しくしすぎることはダメで、安全性も大切ですが、この風潮を続けると日本が弱い国になってしまう」と所見を表明。「世の中、優しさ競争で溢れている中で、あえて、もう一度厳しさを取り戻そうという観点からの賞です」と本賞の意図を説明した。
多数の応募があった中で、喧々諤々の議論を重ねて選出されたのは、株式会社クラダシとロート製薬株式会社。授賞式で、株式会社クラダシの代表取締役社長の関藤竜也氏は、「本当に光栄でございます」と感謝を示した上で、「2014年に会社が創業しまして、社会性・環境性・経済性の3つの合理性を回すことによって、ボランティアではなく、ビジネスとして持続可能な事業を展開してきました。私たちは小さい会社でありますが、若い会社でもあります。社会貢献型インターンシップでは、全国の大学生に地方に行ってもらい、地方創生を座学ではなく、原体験として学んでもらう。現在、その卒業生が200名を超えてきていますので、今後ソーシャルイノベーターなる方々が、どんどん世の中に増えていったらいいなと思っています。今回の受賞は、社員一同喜んでおりまして、また、身の引き締まる思いでもあります。これからもがんばります」とコメントした。
また、ロート製薬株式会社の代表取締役会長の山田邦雄氏は、「社員一人ひとりの学びと成長を経営の根幹としており、個の力を活かすことが、大事な戦力になるという戦略的な意味でもずっと取り組んできました。しかし、人の成長は一筋縄ではいかないものでして、20年以上一線でやってきましたが、自分の中では常に65点くらいだと思っていて、まだチャレンジ中です。それを認めていただけたのは嬉しいですし、目指すものとの距離はありますので、もっともっと世の中の1つの先進事例として、やっていきたいなと思っています」とコメント。「当社は社歴が古く、ある意味では非常に一般的で日本によくある企業だと思っていますが、そういった会社が進化していくことが、社会のために大事なのではないかと。そういう意味で、これからもユニークさを発揮して、社員一同磨きあっていきたいです」と抱負を語った。