楽天グループ株式会社は2024年11月6日、東京都中央区晴海周辺で、自動配送ロボットによる商品配送サービス「楽天無人配送」を正式に提供開始した。対象店舗は「スターバックス コーヒー 晴海 トリトンスクエア店」「スーパーマーケット文化堂 月島店」「吉野家 晴海 トリトンスクエア店」の3店で、温かい料理や冷たい飲み物、生鮮・冷凍食品など、5,300品以上の幅広い商品を扱う。楽天にとって都内での無人ロボット配送サービスは初の試みとなる。
晴海周辺62カ所に商品をお届け
専用サイトから注文を受け、晴海エリアのマンションやオフィス、公園など62カ所へ配送する。夜間や雨天も含め、年末年始を除く毎日10時から21時まで提供。最短30分で指定場所に商品が到着し、利用者は配送中のロボットの位置をリアルタイムで確認できるため、受け取り待機の負担が軽減される。商品受け取りは、到着時に通知される暗証番号を機体のパネルに入力することで、非接触で行う。
配送に使用されるロボットは、Cartken Inc.製のModel Cで、三菱電機グループのメルコモビリティーソリューションズ株式会社がサービス用に調整を施したもの。高度なAIと衝突回避機能を搭載し、安全基準を満たしている。最高速度は時速5.4kmで、遠隔監視と自動走行で安定した配送を実現する。
楽天は、少子高齢化による人手不足といった「2024年問題」に対する解決策として、無人配送の導入を進めてきた。2021年には西友および横須賀市と共同で、国内初の公道走行を利用した配送サービスを実施。さらに2022年にはつくば市で定常的なサービスを提供し、経験を重ねてきた。今回の晴海周辺でのサービス提供は、経済産業省の補助事業「自動配送ロボット導入促進実証事業」の支援を受け、物流効率化への貢献も期待されている。