JX通信社が、10月27日投開票の衆院選に向けて画期的なシステムを発表した。全選挙区の当選確率を人工知能(AI)で算出する「当選確率シミュレータ」である。
驚異の的中率を誇る独自システム
このシステムの特徴は、各報道機関が発表する「優勢」「競り合う」といった表現を数値化し、統計処理を行う点だ。2022年の参院選では75議席中72議席の当選者を正確に予測し、96%という高い的中率を記録した実績。
選挙期間中のこうした取り組みは国内初の試み。システムの精度を高めるため、駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部の梅田道生教授が監修を務める。
若者の投票率向上を目指す新機能
JX通信社は同時に、無料ニュースアプリ「NewsDigest」で投票率向上プロジェクトを開始した。AIを活用した「党首討論」機能や、投票後に最大100万円相当のポイントが当たるキャンペーンなど、若年層の政治参加を促す仕組みだ。
当選確率の計算には、過去の選挙データと現在の情勢を組み合わせた独自のアルゴリズムを使用。これを1万回繰り返すことで、より正確な予測を可能にしているとのこと。
アメリカやイギリスでは既に一般的となっている統計的な選挙予測だが、日本での実用化は遅れていた現状。なお、このシステムは公職選挙法に配慮し、具体的な得票率予測は公表しない方針。情勢調査の生データも使用しない仕組み。