最近よく耳にするようになった「パラレルキャリア」という言葉。以前からある「副業」とよく混同されがちですが、実は異なる意味を持っていることをご存知でしょうか。また、近年は「デュアルキャリア」にも注目が集まるようになってきました。そこで今回は、副業とパラレルキャリア、デュアルキャリアの違い、意義について詳しく説明していきましょう。
「副業」「パラレルキャリア」「デュアルキャリア」それぞれの特徴
そもそも「副業」とは、生活の基盤となる本業とは別に収入を得る目的で仕事をおこなうことを指します。一方で「パラレルキャリア」は、副業と違って収入を得ることを主目的にはしていません。たとえばボランティア活動や趣味の追求などが当てはまり、スキルアップや自己実現、社会貢献を目指しておこなう活動がパラレルキャリアと呼ばれます。
ちなみにパラレルキャリアという概念は、有名な経営学者であるピーター・ドラッカーが提唱したもの。個人が複数のキャリアを同時に持つことで、人生の充実度を高めることができるとドラッカーは説きました。
パラレルキャリアと言葉も似ている「デュアルキャリア」とは、「2つのキャリアを並行して進める」こと。副業と同じく、「両方から収入を得る」ことを前提としています。スポーツ選手が引退後を見据えて現役時代から別の職業に取り組む場合に使われることが多く、「複業」と言い換えることもできるでしょう。
パラレルキャリアの具体例とメリット
パラレルキャリアの例をもう少し具体的に挙げてみると、平日は会社員として働きながら、本業とは関係なく週末に地域のボランティア活動に参加することはパラレルキャリアと言えます。また、会社員が週末に料理や裁縫、音楽、スポーツなどを教えることもパラレルキャリアの一例。
パラレルキャリアを持つことには多くのメリットがあり、たとえば異なる分野で活動することで新しいスキルや知識を得ることができます。複数のコミュニティに属することで、人脈を広げられるだけでなく視野も広がることに。自己実現や社会貢献の機会が増えれば、人生の満足度を高めることも期待できます。
ひとつの会社に勤めることだけが人生ではありません。パラレルキャリアを通じて自分の世界を広げてみるのも、より充実した人生を送るための選択肢になるのではないでしょうか。
ライター:米山大樹
ビジネス情報系の出版社で編集・ライティングを経験後、2020年に独立。現在はテック系、ビジネス系、ネット上のトレンド系のネタを中心に各種メディアで記事を執筆している。