共働き夫婦のリアルな現状!2025年の家事・育児・夫婦関係の意識調査を読む

共働き夫婦の家事・育児・夫婦関係の実態とは

共働き夫婦の家事・育児分担、夫婦関係についての意識は、時代とともに変化している。
2025年に発表されたソニー生命の「20代・30代共働き夫婦の生活意識調査(後編)」は、現代の夫婦がどのように家事や育児を分担し、どのような悩みを抱えているのかを示している。

本調査では、1,000名(男女各500名)にアンケートを実施し、「家事の分担」「育児の負担」「夫婦関係の意識」「転勤や老後への考え方」などを分析している。
その結果、多くの家庭で家事・育児の負担が妻に偏りがちであること、夫婦の意識にはギャップがあることがわかった。こうしたデータをもとに、共働き夫婦の現状について考えていきたい。

データから見える夫婦の理想と現実

① 家事・育児の分担は平等とは言いがたい

調査によれば、家事の分担は「主に妻」が53%と過半数を占め、「主に夫」は15%にとどまる。また、育児においても「主に妻」が52%で、夫の割合は8%にすぎない
特に子どもがいる家庭では、家事・育児の負担がより妻に集中する傾向があり、「夫婦平等に分担」と答えた割合は、家事で25%、育児で34%だった。

さらに、「もっと配偶者に家事を分担してほしい」と思う割合は、夫38%、妻52%と、妻の方が強く感じている
育児についても、「もっと配偶者に育児を分担してほしい」と思う割合は、夫36%、妻58%と、こちらも妻のほうが不満を抱いていることがわかる。

この結果から、夫の側に「もっと家事・育児をやらなければならない」という意識はあるものの、実際には十分に実行できていないことがうかがえる。

② 家事負担軽減の工夫 手間抜きの時代へ

共働き世帯では、家事の負担を軽減するために様々な工夫をしている。
特に「まとめ買い」「冷凍食品の利用」「外食・テイクアウトの活用」が上位を占めており、忙しい生活の中で手間を省く工夫が一般的になっている。

一方で、家事代行サービスやベビーシッターの利用については、「利用したい」と考える割合は男性が40%、女性が26%と、男性の方が関心を示している。
これは、女性のほうが家事・育児を「自分の責任」と捉える傾向が強いためかもしれない
家事の外部委託がもっと一般的になれば、夫婦間の負担もより平等にできるのではないだろうか。

③ 夫婦関係は良好? それとも不満?

今回の調査では、「夫婦関係は良好」と答えた割合は59%と、半数以上の夫婦が関係を良好だと考えていることがわかった。
しかし、同時に
「今の夫婦関係をもっと良くしたい」と答えた人も42%**おり、現状に満足しているわけではない夫婦も一定数いることがわかる。

また、「今の配偶者と結婚したことに満足している」と答えた人は55%だったが、「どちらともいえない」が36%、「後悔している」が9%という結果も出ている。
さらに「老後も今の配偶者と一緒に暮らしたい」と答えた割合は、夫51%、妻60%と、意外にも妻のほうが「一緒に暮らしたい」と思っている割合が高かった。「夫婦の関係が悪化している」とまでは言えないものの、「夫婦の意識には差がある」ということを示しているのではないだろうか。

家事・育児の「見えない負担」をどう分け合うか

今回の調査を通して、共働き夫婦における家事・育児の負担が依然として妻に偏りがちであることが明らかになった
また、夫は「もっとやらなければ」と思っているが、実際には負担を十分に分担できていない状況が続いている。

さらに、夫婦関係については「良好」と答える人が多かったものの、「今より良くしたい」と考える人が4割以上いることから、現状に完全に満足しているわけではないことがわかる。

今後、家事・育児の分担をより公平にするためには、

  • 家事代行サービスやベビーシッターの活用をもっと一般化する
  • 「見えない家事」への意識を高め、夫婦で話し合う機会を増やす
  • 育児や家事を「手伝う」のではなく「共同作業」として認識する

といったことが重要になってくるのではないだろうか。
調査結果でも、夫婦円満の秘訣として「会話・コミュニケーションをとる」「お互いを思いやる」「家事・育児を分担する」といった点が挙げられていた。

「家事・育児の平等な分担」は、夫婦の関係をより良くするための大きなカギになる。
これからの時代、夫婦がお互いに理解し合い、支え合うことがますます重要になっていくのではないだろうか。

文・野島カズヒコ

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