フリーマーケットアプリ大手のメルカリは9日、悪質な転売対策を強化する方針を発表した。取引の基本原則を改定し、転売目的の出品が予想される商品について、事前に取引を制限できる仕組みを導入する。
メルカリは従来、違法商品を除き、取引は利用者の自主性に委ねる方針を取ってきた。しかし、近年の転売を巡るトラブルの増加を受け、より積極的な介入へと舵を切った形だ。
SNS上では「とうとう本腰を入れてきた」「もっと早くやるべきだった」といった声が相次ぐ。一方で、「正当な再販まで制限されないか」という懸念の声も見られる。アンケートによると、転売対策として「本人確認の徹底」を求める声が50%と最多を占め、「出品制限の強化」「アカウント凍結の厳格化」がともに25%で続いた。
フリマアプリ業界では、転売問題への対応が重要な経営課題となっている。あるEC業界アナリストは「健全な取引環境の整備は、プラットフォームの信頼性向上に直結する。今回の方針転換は業界全体に波及する可能性がある」と分析する。具体的な対策として、出品時の本人確認強化、不正取引の検知システム改善、商品カテゴリーごとの出品制限などが検討されているという。ただし、どの商品を規制対象とするかの線引きには課題が残る。
参考リリース
https://about.mercari.com/press/news/articles/20251009_principles/
https://about.mercari.com/press/news/articles/20251009_advisoryboard
文/進藤昭仁