11月12日、ReGACY Innovation Group株式会社は、「Be Smart Tokyo(東京都スマートサービス実装促進プロジェクト)」の中間報告会を開催。プロジェクトに新たに採択されたスタートアップ3社を含む計8社がこれまでの取り組みや今後の展開を説明したほか、株式会社GATARIと三菱地所株式会社、株式会社Cuelとメリービス株式会社の取り組みについてトークセッションも行われた。
ReGACY Innovation Group株式会社の中村京介氏は、「『Be Smart Tokyo』は、スタートアップの優れたサービスの社会実装を進めていき、都民や東京都の企業を良くしていく事業です。教育格差の是正、障がい者支援、女性活躍といった社会課題を解決するために取り組んでいます」と言及。

新規で採択された企業は、株式会社セラピア、KAERU株式会社、株式会社iibaの3社。障がい者向けノーコードスキル開発による就労支援プロジェクトを実施している株式会社セラピアは、飲食、建築、病院など幅広い業界で40社以上の実績がある。障害者雇用をサポートする企業やサービスは多いが、定着率が高いとは言えない現状を受け、同社ではノーコード教育の普及と安定した就労環境の実現に取り組んでいる。

KAERU株式会社は、認知機能が低下した方や障がいのある方に、プリペイドカードを発行。金銭管理の支援をしている。1万円をチャージしても、それぞれの自立度合いに応じて、1日単位、1円単位で日々使える予算を細かく設定できる。全国の社会福祉協議会や大阪、福岡、静岡などと連携協定を結んでいる。

株式会社iibaは、子育て特化のマッププラットフォームを運営。SNSでバズっているコンテンツがどこにあるのかわかるように、マップに連動して表示される。連携しているインフルエンサーは、全国で総フォロワー550万人を超え、毎月の再生回数は1億回以上にのぼる。自治体や事業者との連携も進んでいて、物理的・精神的・経済的な支援を目指している。

株式会社GATARIと三菱地所株式会社は、丸の内ストリートギャラリーにて「視覚障がいを含む、誰もがアートを体験できる音声ガイドコンテンツ」を提供。株式会社GATARI 代表取締役CEOの竹下俊一氏は、実装してみて「公共空間で設置する中で、体験者が道路の方に出てしまわないようにする対策の仕方を考えるきっかけになった」と振り返った。
今後については、「デジタル空間を作っていく技術というのは、無数のプライベート空間を作っていくことができます。視覚障がい者の方の視点はもちろん、それ以外の方も楽しめる生きているデジタル空間を作っていきたい」と意気込んだ。
東京都デジタルサービス局デジタルサービス推進部スマートシティ推進担当課長の大井征史氏は「Be Smart Tokyo」について、「本来は3年間だったものを本年度以降も継続する形になっています。インクルーシブをテーマに、困り事解決にさらに力を注いでいきたい」と締めくくった。

