2月9日、株式会社エム・ピー・ソリューションとカードサービス株式会社は、東京都千代田区大手町のKDDIホールにて記者発表会を開催した。発表会では、飲食店のテーブル決済を刷新するクラウド型決済サービス「MPAC(エムパック)」と、それを支える新決済端末「S-Pittシリーズ」が発表された。
PIN入力必須化でスマートな会計が失われた
今回の発表の背景には、クレジットカード決済を取り巻く環境の大きな変化がある。2025年4月、セキュリティ強化の一環として暗証番号(PIN)入力が必須化され、飲食店で広く使われてきたテーブルでのサイン決済は利用できなくなった。この制度変更により、接客の流れや顧客体験の見直しを迫られた飲食店は多い。
PIN入力必須化に伴い決済端末の変更や機能追加を行った店舗のうち、約6割が「店の雰囲気やサービス水準に合致していない」と答えた。改善を望む声には「洗練されたデザイン」や「サイズ感、薄型化」などが挙がり、決済端末が接客や空間づくりの妨げになっている。

こうした課題を受け、両社が打ち出したのが、従来の「Sign on Paper」の体験をデジタルで再現するという、新しいテーブル決済の考え方だ。

テーブル決済の流れを変える「MPAC」
「MPAC」は、飲食店のテーブル決済に必要な操作や設定をクラウドで一元管理する。金額確認、カードの受け渡し、本人確認、領収書対応まで、テーブル決済に必要な一連の流れを、端末とクラウドの連携によって支援。PIN入力が必須となった現在でも、落ち着いた接客の流れを保ちながら、スマートな決済を可能にした。

システム構成はシンプルで、端末側の役割は接客用画面の表示と決済ネットワークへの接続に絞られる。設定や運用管理はクラウド側でまとめて行う仕組みとし、店舗単位での端末管理や、複数台運用、一時的な端末の追加、店舗をまたいだ利用にも柔軟に対応可能。

新たに登場した決済端末「S-Pittシリーズ」
MPACに対応する新しい決済端末として登場したのが「S-Pittシリーズ」だ。薄型・軽量設計で店舗の雰囲気に溶け込む「S-Pitt AIR」と、デュアル画面を備え多用途運用に対応する「S-Pitt Mobile」の2モデルを展開する。
「S-Pitt AIR」は、厚さ9.99mmという薄型設計が特徴で、ビルホルダーに収まるサイズ感と上質なデザインを備える。磁気ストライプは搭載せず、ICカードやタッチ決済に対応する構成とした。薄型でありながら、日常業務に十分なバッテリー容量も確保した。

一方「S-Pitt Mobile」は、デュアル画面を備え、レシート印刷との連携など幅広い使い方を想定したモデルだ。「S-Pittシリーズ」の導入はレンタル形式を取り、価格を抑えて複数台導入しやすい設計とのこと。PIN入力必須化というルール変更の中でも、飲食店ならではの上質な接客体験を損なわないテーブル決済を、ぜひ導入してみてはいかがだろうか。

