規模の大小にかかわらず、どの企業にもいるかもしれない仕事をサボりがちな社員。なまけてばかりなのに給料はしっかりもらうことから、「給料泥棒」なんて呼ばることもありますよね。最近では「フリーライダー社員」なる言葉も登場し、企業の業績をうらなう上で大きな問題となっているようです。今回はフリーライダー社員の意味や対応策に迫っていきましょう。
フリーライダー社員の“5つ”の特徴
フリーライダー社員には「タダ乗り社員」という意味があり、会社に貢献するわけでもなく企業・集団の利益に“タダで乗っかる人”を指します。もちろん企業・集団には、努力をしているものの成果に繋がらない社員もいますが、フリーライダー社員は「本人の能力やパフォーマンス力が低い」というわけではありません。フリーライダー社員とは、ざっくりいえば「ポテンシャルを持っているにもかかわらず、わざと成果を出さない人」のこと。
さらに具体的にいうと、下記の5つの要素がフリーライダー社員の特徴と言われています。
・わざと業務に時間をかける
・批判的な意見が多い割に自身は仕事に消極的
・仕事に対する責任感が薄い
・他の人の成果を平気で奪う
・周囲に負担・迷惑をかける
フリーライダー社員を生まないためには
それではなぜ、“わざと”業務に時間をかけるのでしょうか。そもそもフリーライダー社員は、仕事に消極的=与えられた仕事以外したくないと考えがち。業務を手早くこなせば時間に余裕が生まれ、新しい仕事を任されることがあります。担当業務外の仕事を新たに渡されれば本来ならスキルアップにつながりますが、「仕事を増やしたくない」「給料が変わらないのに多く仕事するのは損」といった思いから、業務に時間をかけたり、新しい仕事に対して批判的な態度を取ります。
また、フリーライダー社員については「本人がそれでいいなら放っておけばいい」という単純な話でもありません。やる気がない・責任感がない仕事ぶりは周囲のモチベーションに悪影響を与える可能性があり、ポジティブに仕事に取り組んでいる人からすれば足を引っ張る存在です。
また組織内でなんらかの成果が上がった際、フリーライダー社員自身は何もしていないのに、他人の成果を横取りして「自分の手柄」と言わんばかりに主張してくるので厄介です。
そんな悪影響をおよぼすフリーライダー社員には、早めの対応策が必要。たとえば個人の業務内容・担当範囲を可視化することで他の社員と比較しやすくなり、なまけることができない職場環境になります。また、根本的に社員の教育方法や評価制度を見直すのもひとつの手立てに。
フリーライダー社員は放置しておくと、新たなフリーライダー社員を生むといわれています。企業全体に関わる問題として、しっかり対処していきましょう。
米山大樹
ビジネス情報系の出版社で編集・ライティングを経験後、2020年に独立。現在はテック系、ビジネス系、ネット上のトレンド系のネタを中心に各種メディアで記事を執筆している。