ホンダと日産、経営統合の協議を正式発表 市場は歓迎するも課題山積

ホンダと日産自動車が2026年8月の経営統合に向け、協議を開始したと23日午後に正式発表した。このニュースを受け、24日午前の東京株式市場ではホンダの株価が一時14.4%急伸し、市場がこの動きを好意的に受け止めていることが伺える。一方で、SNSではこの経営統合に対する賛否が飛び交い、専門家も「期待と懸念が交錯している」と指摘している。

SNSで交錯する声 「ホンダ優位」と「日産の行方」

SNS上では、「ホンダ主導」の構図が鮮明であることへの賛否が巻き起こっている。《日産は過去のガバナンス問題を清算できないまま統合に進むのか》《ホンダの経営姿勢なら、三菱とのシナジーも含めて未来が明るい》といった意見が目立つ。

一方で、日産の社内やファンからは複雑な声も。《日産ブランドは維持すると言うが、事実上ホンダに吸収されるのではないか》《これ以上の合理化で、国内工場や従業員がどうなるのか心配だ》との懸念も根強い。
SNSで広がる議論には、統合に伴う文化や運営方針の違いがどのように克服されるのかといった疑問も含まれている。特に日産側からは、これまでのルノーとの提携による経営課題を考えると「ホンダとの統合で本当に問題が解消するのか」という声が散見される。

自動車業界に詳しいアナリストは、「ホンダと日産が経営統合を進めることで、部品の共通化や生産拠点の共有など、コスト削減効果は計り知れない」と語っている。「特にハイブリッド車やEV(電気自動車)の生産において、両社の技術や販売網を融合させることで、競争力の向上が期待される」と分析する。さらに、持ち株会社の設立により、「両社がそれぞれのブランドを維持しながら新たなビジョンを描く可能性はある」と楽観的な見方を示している。

ただし、日産の関係者が指摘するように、「事実上の吸収合併」と受け取られかねない状況は無視できない。同アナリストも「日産内部の文化や考え方がホンダのダイナミズムと衝突する可能性はある」との見方を示している。

企業への影響 生産拠点の再編や従業員への影響は?

ホンダと日産の統合が進めば、主要市場が重なることから生産拠点やサプライチェーンの再編が避けられないとみられる。両社は国内外に広がる工場網を効率化することで、「売上高30兆円、営業利益3兆円」を目標に掲げている。

しかし、こうした再編にはリスクも伴う。特に国内の生産工場や雇用に影響が及ぶことは避けられない。SNSでも《地元工場が閉鎖されたら困る》《従業員にとっては統合が負担になる》といった声が上がっており、統合がもたらす影響はまだ見えにくい。

また、日産が筆頭株主である三菱自動車の合流も検討されており、これが実現すればトヨタやフォルクスワーゲンに次ぐ「世界販売台数3位」の企業グループとなる可能性もある。だが、三菱側が参加するかどうかは2025年まで結論が出ない見通しだ。

今回の経営統合は、ホンダ主導の構図が鮮明であり、日産との文化やガバナンスの違いをどう乗り越えるかが成功のカギとなる。また、ハイブリッド車やEVの生産効率化、グローバルなシェア拡大といったシナジー効果が期待される一方で、生産拠点の再編や従業員の処遇に関する課題は依然として解決の道筋が見えていない。

ホンダの三部社長が語る「想定以上のシナジー効果」が現実となるのか、それとも統合の途中で立ち往生するのか。日本の自動車業界を揺るがすこのビッグディールがどのような結末を迎えるのか、引き続き注目が集まりそうだ。

執筆 / 菅原後周

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