コロナワクチン定期接種、自己負担額が最も高い自治体が明らかに ——2025年度コロナワクチン定期接種、認知率3割以下に急落

2025年度の新型コロナワクチン定期接種の認知率が、わずか29.5%にとどまることが、ヒューマン・データ・ラボラトリの調査で明らかになった。2024年度の60.3%と比較して約半分に減少しており、定期接種2年目を迎えた今年、国民の関心が急速に薄れている実態が明らかになった。

調査は65歳以上の全国男女2500名を対象に実施。人口5万人以上の549自治体における自己負担額も調べたところ、最も高かったのは茨城県笠間市の1万3600円、一方で東京都の6区(千代田区、港区、台東区、渋谷区、足立区、葛飾区)は無償で実施しており、地域間の格差が顕著になっている。全体の平均自己負担額は6248円であった。

この格差の背景には、2025年度から国の助成金制度が終了し、各自治体の予算のみで定期接種が実施されていることがある。自治体の財政状況によって住民への周知活動にも差が生じており、認知率低下の一因となっているようだ。

専門医が語る「接種控え」のリスク

KARADA内科クリニック五反田院院長の佐藤昭裕医師(日本感染症学会専門医)は、現状への懸念を次のように語る。

「冬の流行期に入り、当クリニックでも新型コロナの患者数は増え始めていますが、昨年ほど多くはないように感じます。これは危機意識が薄れ、いつもの風邪だと思って受診していない人が増えているためと考えられます。また、今シーズンはインフルエンザの流行が早まり、病院側もインフルエンザへの対処を優先するため、新型コロナを診断しきれていない可能性もあります」

佐藤医師は、新型コロナによる年間死亡数が依然として3万5865人(2024年)に上り、インフルエンザの約12倍であることを強調する。死因順位は2023年に続き第8位となっており、収束とは程遠い状況にある。

「日本人は熱しやすく冷めやすい国民性があり、話題にならないと関心もなくなります。テレビなどでほとんど報道されなくなったことが大きく影響しています。SNSでの不確かな情報拡散も問題です」と佐藤医師は指摘する。

ワクチン接種の効果と治療薬の現状

佐藤医師によれば、高齢者がワクチンを接種することで重症化を防ぐことができ、入院する重症患者のほとんどがワクチン未接種者であるという研究データも報告されている。また、罹患者の約10%に後遺症が出るとされるが、ワクチンは後遺症の発現を低減させる効果も確認されている。

現在、日本では「パキロビッドパック」「ラゲブリオ」「ゾコーバ」の3種類の抗ウイルス薬が販売されているが、国からの補助がなくなり高額となっているため、「治療薬が必要になる前にワクチンを接種して予防することが大切」と佐藤医師は訴える。

日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本ワクチン学会の3学会も、高齢者における重症化・死亡リスクは依然として高く、冬の流行に備えた定期接種を強く推奨している。

佐藤医師は最後にこう呼びかける。「発熱や倦怠感などの症状がある際は早期に受診してください。特に急性期に無理をすると後遺症につながることもあります。コロナは、早期診断・早期治療を心がけましょう。マスク着用、手洗い、換気といった基本的な感染症対策も引き続き重要です」ワクチン接種のみならず、重症化予防が期待できる新型コロナの治療薬の活用も含め、新型コロナの流行に備えて医師に相談しましょう。

【取材協力】

佐藤昭裕(さとう・あきひろ)/KARADA内科クリニック五反田院 院長。日本感染症学会専門医。総合診療医として幅広い診療と、感染症専門医としてHIV感染症や結核、マラリアなどの診療に従事。東京医科大学病院感染症科医局長、東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長などを歴任。

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