知られざる紅茶の健康・美容効果に注目、専門家が語る紅茶ポリフェノールの力とは

一般社団法人ウェルネス総合研究所は、紅茶の機能性成分に関する正しい情報を啓発・発信する新組織「紅茶ポリフェノールラボ」を発足。

また、11月1日「紅茶の日」を迎えるにあたり、10月30日に専門家による紅茶ポリフェノールの研究についてのセミナーが行われた。

現在、健康や美容への意識の高まりを背景に「第3次紅茶ブーム」と呼ばれるほど紅茶人気が高まっている。一方で、緑茶や烏龍茶に比べ、紅茶の健康効果についてはまだ十分に知られていない。こうした現状を踏まえ、科学的根拠にもとづく紅茶の魅力を広く発信するべく「紅茶ポリフェノールラボ」が発足。

腸内フローラとポリフェノールの相互作用

セミナーには甲南女子大学医療栄養学部の川畑球一氏が登壇し、ポリフェノールが持つ多様な作用と、腸内細菌叢との関係について解説した。

「ポリフェノールは、植物が自分を守るために作り出す天然の防御物質です。抗酸化作用を持ち、私たちの体にも良い影響を与えます」と川畑氏。

また「ポリフェノールのうち、小腸で吸収されるのはわずか10%。残りの90%は大腸に届き、腸内フローラと相互作用します」と説明する。ポリフェノールには、善玉菌を増やし腸内環境を整える効果があるとされている。

さらに個人差はあるが、腸内細菌によって変化した低分子のポリフェノールがインスリンのように働き、血糖値を調整する働きもあることが報告された。

知られざる紅茶ポリフェノールの健康効果

続いて登壇した静岡県立大学食品栄養科学部の中山勉氏は、紅茶特有のポリフェノールのテアフラビン、テアルビジンに焦点を当てた。

紅茶は製造過程で、緑茶に含まれるポリフェノールの一種・カテキンが酸化してテアフラビンなどの成分に変化する。緑茶にはカテキンが豊富に含まれているがテアフラビンやテアルビジンは含まれていない。

さらに色味は、含まれる紅茶ポリフェノール量も関係する。中山氏は「紅茶の色や風味は、紅茶ポリフェノールが作り出しています。赤みが強い紅茶ほどポリフェノール量が多い傾向で、ケニア産紅茶はもっとも含有量が多く、淡い色のダージリンはそのおよそ半分です」と解説。

紅茶ポリフェノールには、血中LDLコレステロール低下や中性脂肪の排出、血糖値や便通の改善など、幅広い健康効果が報告された。テアフラビンには脂質膜に吸着しやすい特性があり、ダイエット効果やコレステロール低下にも関与する。

さらに注目すべきは、その抗ウイルス作用だ。紅茶はインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスを不活化させることが判明。実際にマウスを使った実験では、ウイルスを水で処理した場合は感染後に生存率が低下したのに対し、紅茶で処理したウイルスに感染したマウスは、生存率が維持された。これはコーヒーや緑茶では見られない効果だ。

最後に中山氏は、イギリスの健康調査の結果を紹介した。「1日2杯以上の紅茶を飲む人は、10年後の死亡率が9〜13%低下していました。しかも、砂糖や牛乳を加えても効果は変わらなかったんです。理由は完全には解明されていませんが、紅茶ポリフェノールが関係していると考えられます」と語る。なお、カフェインは関係していないとのこと。

研究が進むにつれて、美容や健康などへの様々な効果が明らかになってきている紅茶。今後の研究結果や「紅茶ポリフェノールラボ」の活躍に期待したい。

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