日本電信電話株式会社(NTT)は2026年5月12日、物体の柔らかさや粘り気といった質感を、直接触れることなく遠隔地に伝える世界初の錯覚手法を考案したと発表した。身近なデバイスで利用可能な技術として、遠隔体験の価値向上への寄与が期待される。
従来、遠隔地に質感を伝えるためには触覚提示デバイスが必要であり、装置の大型化や高コスト化が課題だった。NTTが考案した手法は、視覚や聴覚などの感覚情報を組み合わせることで、ユーザーの脳内に柔らかさや粘り気の錯覚を生じさせるものである。

本手法は、身近なスマートフォンやPCといった一般的なデバイスで実現可能である点が特徴だ。専用の触覚デバイスを必要とせず、既存のインターフェースを活用して質感の伝達を実現する。これにより、医療・リハビリ、遠隔教育、Eコマースなど幅広い分野での応用が見込まれる。
NTTは、人間の感覚メカニズムの解明とその応用技術の研究開発を推進している。今回の研究成果は、同社が取り組む「人間拡張技術」の一環であり、身体的・空間的制約を超えた体験価値の向上を目指す取り組みの中から生まれた。

今後は研究成果の実用化に向け、さらなる検証と技術の精緻化を進める方針だ。遠隔地間での質感共有が可能になることで、オンライン上の体験の質が飛躍的に高まると期待されている。
https://group.ntt/jp/newsrelease/2026/05/12/260512a.html

