2024年11月15日、SNS「X」(以前のTwitter)が新しい規約を発表した。その中で、ユーザーの投稿をAIの学習に使えると明記したことで、SNS上では多くの人が意見を述べている。特に、イラストを描く人たちから不安の声が上がっているようだ。出版社や漫画関係の会社は、自分たちの投稿する画像にマークを入れたり、AIが学習しにくいように加工したりすると次々と発表した。
実は「X」は2023年9月から既に投稿をAIの学習に使っていて、今回はそれを規約にはっきりと書いただけである。でも、多くの人が「これから新しく学習が始まる」と誤解して混乱が広がったようだ。
ネット上では「もう仕方ない」とあきらめる人もいれば、「作品を勝手に使うのはおかしい」と怒る人も多い。「X」が作っている「Grok」というAIサービスでも利用されると見られ、多くの投稿を学習していくと言われている。そのため、「X」は規約を変えることで、こうした開発を正当化しようとしたと考えられる。
一方で、「Bluesky」という別のSNSに移る人も増えている。「Bluesky」は「投稿をAIの学習には利用するはない」と16日発表している。が、どのSNSを使っても、やはりネットに出した情報がAIに全く使われないことは、現実的には考えにくいのではないか。
「ネットを使うのをやめるしかない」という意見もあるが、それは現実的ではない。今の時代、ネットは作品を多くの人に見てもらう大切な場所だからである。また、AIを使って新しい表現を生み出せる可能性もあり、それも考える必要がある。
今回の規約の変更で、ネット時代の著作権やプライバシーについて、みんなが考え直すきっかけとなった。AIは危険な面もあるが、便利に使える可能性もある。でも、投稿が勝手に使われることへの不安が残るため、「X」などの会社は、もっとわかりやすく説明する必要があるのではないだろうか。
これからは、作品を守りながらネットを使う方法と、AIをうまく活用する方法の両方を考えていく必要がある。この問題は簡単には解決せず、時間をかけて話し合っていかなければならない。