千葉大学予防医学センターの中込敦士准教授らの研究チームは、対話型「AIコンパニオン」の利用と主観的ウェルビーイングとの関連を明らかにした。日本全国の成人14,721人を対象としたインターネット調査の結果、AIコンパニオン利用者は人生満足度、幸福感、人生の目的がわずかに高いことが示された。本研究成果は2026年1月7日、国際学術誌Technology in Societyに掲載されている。

調査対象者の内訳は、AI非利用者が11,502人、検索・要約など実用目的のAI利用者が2,928人、会話や情緒的サポートを目的とするAIコンパニオン利用者が291人であった。解析の結果、AIコンパニオン利用者は非利用者と比較して、0〜10点尺度で人生の満足度が0.28点、幸福感が0.28点、人生の目的が0.46点高いという統計的に有意な差が認められた。一方、実用目的中心の生成AI利用では、主観的ウェルビーイングとの明確な関連はみられなかった。
注目すべきは、AIコンパニオンの効果に個人差がある点である。孤独感が強い層ほど、利用と主観的ウェルビーイングとの正の関連が強まる傾向が確認された。また友人とのつながりが「中程度」の人で関連が最も強く現れ、非常に低い人・高い人では弱まるという逆U字型のパターンも示された。
研究チームは、AIコンパニオンが孤独感を抱える人にとって「話し相手」や「情緒的サポート」として機能し、心理的な支えとなり得る可能性を指摘する。ただし本研究は横断研究であり、因果関係の解明には至っていない。今後は長期間利用の影響を検証する縦断的研究や、現実の人間関係を損なわない適切な設計指針の検討が求められる。

