楽天モバイルと米AST SpaceMobileが、日本国内で初めて市販スマートフォン同士による低軌道衛星を用いたビデオ通話に成功した。この試験は2025年4月、福島県と東京都間で実施された。

本試験は2025年4月、福島県と東京都間で実施された。楽天モバイルのゲートウェイ地球局から低軌道衛星「BlueBird Block 1」へ信号を送信し、衛星経由で一般市販のスマートフォンにビデオ通話を実現させるものだ。既存のモバイル基地局ではカバーが難しい山岳地帯や離島など、通信の空白地帯に向けた新たなアプローチとなる。
楽天モバイルとASTは2020年より戦略的パートナーシップを結び、本プロジェクトを推進中。2026年第4四半期には日本国内での本格的なサービス提供を予定しており、すでにASTは2024年9月に商用衛星の打ち上げに成功している。
自然災害など緊急時における通信の冗長性向上にも期待が高まる。
楽天グループ会長・三木谷浩史は、「すべての人がモバイル通信を享受できる世界の実現に向けた重要な一歩」と述べ、本プロジェクトを今後も積極的に推進すると意気込みを見せた。
一方、ASTのCEOアーベル・アヴェランは、「世界の通信格差解消に向けた歴史的な一歩」と表現し、宇宙からの通信インフラ構築における日本との連携強化に意欲を示している。
今後も両社は、実験試験局免許の取得後にさらなる通信試験を進め、商用化への準備を加速させる方針。