「nocria(ノクリア)」などの空調機で知られる富士通ゼネラルが、2026年1月1日より商号を「株式会社ゼネラル(英文表記: GENERAL Inc.)」に変更することを発表した。創業90周年という大きな節目を前にした大胆な決断であり、同時に新しいブランドシンボルも制定している。

新商号に掲げられた「ゼネラル」は、同社が1946年から商標として使用を開始し、現在では120以上の国と地域で登録されている、世界的に認知された名称である。同社はこの名称を、時代を超えて守り続けてきた「モノづくり」への誠実な姿勢の象徴であり、社会からの信頼を表すものだと位置付けている。
今回の商号変更の背景には、経営体制の変化がある。同社は2025年8月に、給湯器大手のパロマなどを傘下に持つ、㈱パロマ・リームホールディングス(パロマ・リームHD)グループの一員となった。今後はグループ各社とバリューチェーンにおいて相互補完的に協業し、国内外の市場での事業拡大を目指す計画だ。長期的には、世界の空調市場でのポジショニングを高めるとともに、空調と給湯の技術融合を進めていくという。
代表取締役社長の増田 幸司氏は、「新スローガン『Creating a Life Conditioner』のもと、モノづくりの原点は人への確かなまなざしと技術革新へのたゆまぬ探求にあるとの信念を持ち続け、新たな価値を創出するための企業文化を育んでまいります」とコメント。さらに「持続可能な社会の実現に向け、より一層の研鑽を重ねてまいります」と、新体制での決意を語った。
これに伴い、現在使用されている「FUJITSU」ブランドは順次切り替えが行われる。また、「富士通」を使用している連結子会社についても、2026年1月1日に「ゼネラル」を付した商号に変更される予定だ。革新的なモノづくりで世界初・業界初の製品を生み出してきた同社が、原点とも言える「ゼネラル」の名を冠し、新たな一歩を踏み出す。