フリマアプリ上で偽造された株主優待券が出回り、被害が拡大しているようだ。大手企業の株主優待券を巡る偽造品の流通について、マクドナルドが注意喚起に踏み切るなど、事態は深刻化の様相を見せていると報道された。

業界関係者によると、近年の株主優待券の偽造は高度化しており、「プロの目でも真贋の判別が困難なケースが増えている」という。特にメルカリなどのフリマアプリでは、正規品と偽造品が混在して出品される状況が確認されている。
「優待券を購入したものの、店舗で使用を断られた」「明らかに印刷が粗雑な券が届いた」といった被害報告がSNS上で相次いでおり、消費者の間に動揺が広がっている。あるXユーザーは「優待券を格安で購入したが、偽物だった。サイトの補償対象にもならず困っている」と投稿している。
法執行機関の関係者は「偽造手口の巧妙化に加え、フリマアプリという新たな流通経路の出現により、取り締まりが追いついていない」と危機感を示す。従来の古物商を介した取引と異なり、個人間取引のため追跡が困難なケースも多いという。
企業側も対策に追われている。マクドナルドは公式サイトで「正規の流通経路以外で入手した優待券については、使用をお断りする場合がある」と告知。他の大手企業各社も、優待券の転売自体を禁止する動きを強めている。
文/進藤昭仁