IT系スタートアップ企業の経営幹部やマネージャーの多くが、自身の「スタートアップ経営」に関する知識や経験が不足していると感じていることが、株式会社リブ・コンサルティングの調査で明らかになった。
経営視点の育成不足が企業全体の課題に
今回の調査は、2024年12月にスタートアップ企業の経営幹部やマネージャー513人を対象に実施された。回答者のうち約81%が「スタートアップ経営」に関する知識や経験が十分でないと回答しており、「市場分析や競合調査スキル」「リーダーシップ」「人材育成スキル」の不足が特に課題として挙げられた。
さらに、経営者と同じ目線で仕事ができているかとの問いには、約47%が自信を持てていないと回答。経営者側の調査結果でも、約7割が「経営幹部やマネージャーが自身と同じ目線で仕事をしていない」と感じていることが分かった。
一方で、調査対象者の75%以上が「スタートアップ経営」に関する研修を受けた経験があるものの、「オンライン講義型」「理論中心」「座学型」の形式的な学習は、実務への応用が難しいと感じる人が多かった。形式的な学習では現場での即応力や実践力が身に付かないことが背景にあるとみられる。
約半数の経営幹部やマネージャーは現行の育成施策に満足していると答えたものの、「具体的なケーススタディや現場に即した内容が不足している」との指摘が多い。特に、実務で求められるスキルを即座に反映できる研修が求められている。
本調査を実施したリブ・コンサルティングは、「座学に加え、具体的な事例に基づいた研修の重要性」を指摘する。現場での学びを活用できる環境が整えば、経営者と幹部が同じ目線を共有し、企業成長に必要な経営力を高める可能性が広がる。スタートアップの成長を支えるため、経営幹部やマネージャーの育成に積極的な姿勢が求められそうだ。
調査:株式会社リブ・コンサルティング https://www.libcon.co.jp/venture/documents/doc029