株式会社アーラリンクは、携帯電話を持てない通信困窮者を支援する「誰でもスマホ」サービスを提供している。同社の「誰でもスマホ リサーチセンター」では、50代以上の利用者を対象に、スマホ詐欺に関するアンケートを実施し、その結果を発表した。
調査結果によれば、利用者の約半数(53.3%)が詐欺と思われる電話やメール、ショートメッセージに困った経験があると回答した。これらの利用者は、特にインターネットやスマホ操作に不慣れな高齢者が多く、スマホ詐欺の被害に遭いやすい現状が浮き彫りになった。
16.0%が実際に詐欺被害を経験
アンケートでは、詐欺被害の具体的な内容も明らかになった。例えば、通販詐欺で送金後に連絡が途絶えたり、偽のアプリ料金を請求されたりするケースが報告されている。その他にも、見覚えのない借金の督促や、SNSを通じた当選詐欺によりアカウントが乗っ取られる被害も多く見られた。
調査の結果、全体の16.0%が実際に詐欺被害を経験していることが判明した。具体的な被害内容としては、偽の通販サイトへの送金や、身に覚えのない料金の請求、アカウントの乗っ取りなどが挙げられる。これらの被害は、スマホやインターネットに対するリテラシーの低さを狙ったものであり、その対策が急務であることが示された。
詐欺被害を防ぐための対策として、多くの利用者が基本的な方法を実践していることが分かった。「心当たりのないものは無視する」78.5%、「心当たりのないリンクやファイルは開かない」67.7%、「着信拒否、受信拒否をする」53.3%と、多くの方が詐欺対策を意識していることが示された。しかし、それでも実際の被害が減らない現状があるため、より一層の対策が求められる。
詐欺被害の相談先
詐欺被害に遭った際の相談先についての質問では、「警察」が66.1%で最も多く、次いで「携帯会社」30.2%という結果であった。しかし、「相談せず、自分で解決する」と回答した人が12.8%、「相談できる人はいない」と回答した人が7.4%いることも判明した。この結果から、多くの人が一人で問題を抱え込んでしまう傾向があることが浮かび上がった。
「誰でもスマホ リサーチセンター」は、こうした実態を受け、詐欺対策講座を開催するなど、利用者が安心してサービスを利用できる環境を整える取り組みを進めている。同センターは今後も、通信困窮者の声を届け、社会全体での問題解決を目指して活動を続ける予定である。