東北を中心に寿司事業を展開する株式会社アミノ(宮城県仙台市)は、寿司職人の負担軽減を目的とした機能性ウェアの着用実験を7月から開始する。日本の食文化の代表である寿司職人の健康サポートに、このウェアがどのように役立つかを検証する予定である。
世界に愛される「寿司」の背景
2013年に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録された。和食の中でも寿司は日本を代表する料理であり、世界的にも人気が高い。今年3月、日本政府観光局の調査では、日本を訪れる外国人観光客がコロナ禍前を上回り、過去最多の308万人に達した。また、農林中央金庫のアンケートによると、訪日観光客の約7割が「滞在中に食べた日本の料理」として寿司を挙げている。
一方で、寿司業界は深刻な職人不足に直面している。寿司職人は魚の知識や技術が求められるため、一定の教育期間が必要である。そのため、新たな職人の確保が難しく、職人の長時間労働や立ちっぱなしの作業からくる健康問題も課題となっている。
株式会社アミノの取り組み
こうした状況を受け、株式会社アミノでは従業員が働きやすい環境づくりに注力している。今回は宮城県仙台市に本社を置くアパレル企業、株式会社りらいぶと協業し、機能性ウェアを使った健康サポート実験を実施することになった。7月から11月にかけて、機能性ウェアの着用前後で整骨院の通院回数の減少などの効果を検証する。
実験で使用されるのは、株式会社りらいぶの「リライブウェア」である。これはトルマリンなどの鉱石を練り込んだインクがシャツにプリントされており、そこから遠赤外線が放出されることで血行が促進されるというものだ。2017年の発売以来、すでに100万着以上が販売され、高齢者や肉体労働者、介護従事者、アスリートなど幅広い層に利用されている。
未来への期待
株式会社アミノの代表取締役、上野敏史氏は今回の取り組みについて「従業員の健康問題の向上に効果があるかを確認し、結果次第では全店舗でのユニフォームとして採用し、全従業員の労働負担軽減につながることを期待している」と語っている。
7月から11月まで行われる実験の成果により、寿司職人の働く環境がどのように改善されるか、注目される。今回の実験が成功すれば、寿司業界全体における職人の健康問題解決の一助となることが期待される。
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