増収増益を達成、ゲーム事業が3年ぶりに大幅成長
サイバーエージェントは2024年度通期決算(2023年10月~2024年9月)を発表し、売上高が8,029億円(前年比11.5%増)、営業利益が418億円(同70.4%増)と大幅な増収増益を達成した。主にゲーム事業、インターネット広告事業、そしてメディア事業が成長を支えた。特にゲーム事業は、複数の新規タイトルのヒットにより3年ぶりに増収を実現し、売上高は1,959億円(同9.4%増)、営業利益は305億円(同34.6%増)と好調である。
SNS上でも「ウマ娘プリティーダービーなどのIPの力で再び成長軌道に戻った」という声が多く、同社のIP戦略の効果が業績に現れた形だ。コンソールゲーム分野におけるタイトルも好調で、英語版リリースなども視野に入れてグローバル市場への展開が進められている。
インターネット広告事業の堅調な成長
インターネット広告事業も2024年度は堅調に推移し、売上高は4,363億円(前年比7.6%増)、営業利益は222億円(同21.3%増)と大幅な増加となった。市場全体の広告費が前年比5.9%増とされる中で、AI活用などによる生産性向上が進み、営業利益率は前年の4.5%から5.1%へと改善されている。
同社の広告事業は「広告効果の最大化」に強みがあるとされ、特に動画広告の分野での技術的進化が成長を後押ししている。今後も独自の日本語対応生成AIや広告効果最大化のための新システム導入を進める計画で、業界内での競争力をさらに強化する方針である。
メディア事業も成長、「ABEMA」の収益化が順調に進む
「ABEMA」を中核とするメディア事業も成長を続け、売上高は1,708億円(前年比21.0%増)を達成した。同事業は視聴数の増加に伴いマネタイズが順調に進み、営業損益が前年の-115億円から-19億円にまで改善された。ABEMAのWAU(週間アクティブユーザー数)は9月に3,029万人を記録し、新料金プランの導入も好評である。
サイバーエージェントは今後、独自の日本語対応AI技術を用いたコンテンツ制作や、クリエイティブの審査を自動化するシステム導入など、業務効率化とサービス強化を目指すとしている。この点についてSNSでも「ABEMAは有料プランの魅力が増しており、視聴習慣がさらに定着しそう」といった期待が寄せられている。
将来展望と株主への還元
同社は2025年度の業績見通しを売上高8,200億円、営業利益420億円と予測しており、成長の加速を見込んでいる。また、配当金も前年度の16円から17円へ増配予定で、株主への利益還元も重視している。
参考:株式会社サイバーエージェント 2024年通期決算発表「決算説明会資料」
https://pdf.cyberagent.co.jp/C4751/n85z/umVK/Iatb.pdf
コメント