YouTubeで「AI動画の収益化が停止される」との憶測が広がっていた問題で、Google日本法人は7月10日、「生成AIコンテンツを対象としたポリシーではない」と明確に否定した。
発端となったのは、YouTubeが7月15日から実施する「YouTubeパートナープログラム」の収益化ポリシー変更予告である。告知では「大量生産された、繰り返しの多いコンテンツ」の制限強化を発表したが、AI動画への直接的な言及はなかった。
しかし、X上では「YouTubeがAI動画の収益化を禁止する」といった投稿が相次いで拡散。一方で「原文をよく読んだほうが良い」として、告知文にAIに関する記述がないことを指摘する声も挙がっていた。
Google日本法人は取材に対し、「コンテンツ自体が反復的で低品質、本物であるかどうかに注目しており、これは生成AIのコンテンツを対象としたポリシーではない」と説明した。今回の更新は「視聴者がスパムと見なすような、大量生産されたり、繰り返しの多いコンテンツをより適切に特定するためのマイナーアップデート」だという。
ネット上では切り抜き動画への影響を懸念する声が多数見られる。「YouTuberやVTuber的には自分の魅力を発信してくれる大事なものなのでこれが『労力に見合わない』とやめる人が増えると困る」との指摘がある一方、「初めからお金儲け目的丸出しで、なんなら自分たちの評判を落とすような見出しとか編集をされてるケースを潰してもらえる」恩恵もあると複雑な反応を示している。
また、「春のアルゴリズム改定の発表から、AI多用で中身のない量産コンテンツは、動画のみならずWebサイトも評価落とす」との流れを踏まえ、当然の措置だとする声もある。
なお、YouTubeは「ストーリーテリングを強化するためにAIツールを使用することは奨励している」と補足しており、AIの活用自体は推奨する姿勢を示している。
文/進藤昭仁