株式会社kubellは、「中小企業の生産性向上のネックと、解決策となるBPaaSへの期待」をテーマとするラウンドテーブルを、12月17日(水)に開催。同社は、国内最大級のビジネスチャットツール「Chatwork」を提供し、累計1,000社超への導入実績を有するチャット経由でバックオフィス業務(会計、労務、総務など)をアウトソースできる「タクシタ」などのBPaaSサービス事業を展開している。

BPaaS(Business Process as a Service)とは、SaaSのようにソフトウェアの提供ではなく、業務プロセスそのものを提供するクラウドサービスであり、業務アウトソーシング(BPO)を可能にするサービス。

人手不足が深刻な中小企業において、ITツールやSaaSの導入による生産性向上が期待されていたが、中小企業のDXによる生産性向上は思うようには進んでいない。なぜなら、中小企業にはDXを推進する人材が不足し、社員のITスキルも高くなく、中小企業にとって使い勝手のよいITツールは限られるためだ。新たなITツールを導入したものの、社内で有効に使われず、無駄になってしまうということも珍しくない。
そういった背景があり、同社は、中小企業の生産性向上・DXが進まない原因、AIやSaaS、BPaaSの導入状況、期待される解決策などを明らかにするために、中小企業の経営者・管理職・バックオフィス担当者およそ1,000名へのアンケート調査を行った。ラウンドテーブル当日、この調査結果について、ピープルディビジョン ブランドエクスペリエンスユニット長 時田あゆみ氏による解説が行われた。

今回の調査の結果、5割弱の企業が日常的な取引や情報管理にデジタルツールを使用していないことが示された。また、システム担当者が(兼務・社外も含めて)不在の企業は3割弱とわかった。デジタル化着手の課題としては、「予算」「従業員教育、利用定着」「既存のツールやサービスとの整理・最適化」が上位に挙がった。ITツールやサービスの導入率は、生成AI 15.5%、SaaS 10.3%、BPO 6.8%、BPaaS 1.8%だった。


これらの結果から、中小企業のデジタル化推進のためには、リーズナブルで、社内にシステム担当者がいなくても導入・運用できる、「誰でも使いやすく、既存のツールやサービスと連携しやすいツール」または「BPaaSのように、業務プロセス自体をクラウド上でアウトソースするサービス」が求められると考えられる。

また、株式会社Kubellの100%子会社であるKubellパートナーの代表取締役社長 岡田亮一氏より、BPaaSの最新動向やKubellの今後の展望について説明が行われた。

Kubellパートナーは、業務そのものをクラウドで提供する「BPaaS」を展開している。従来のBPOが業務の切り出しに留まるのに対し、BPaaSは業務オペレーションとDX人材をセットで提供する点が特徴。
KubellのBPaaSは、ビジネスチャット「Chatwork」を起点に、チャット上で業務依頼から実行までを完結させる仕組みを構築している。中小企業が抱えるDX人材不足という課題に応える。

さらに今後は、AIエージェントを活用し、人とAIが協働する次世代の業務プラットフォームへ進化していく。定型業務はAIが担い、複雑な判断は人が補完することで、生産性の飛躍的向上を目指す。

