AIスタートアップのPerplexityは米国時間7月9日、新型ウェブブラウザー「Comet」を発表した。Cometは米国を中心にMacおよびWindows向けに提供開始。インターネットを「思考の拡張」に変えることを掲げ、Googleが支配するブラウザー市場への挑戦を鮮明にした。

www.perplexity.ai/ja/hub/blog/introducing-comet
Perplexityの説明によると、Cometは同社の検索基盤を活用し、従来のブラウジング体験から「思考型インターフェース」への転換を目指すとしている。タブの乱立やアプリ間の移動による集中力の分断を減らし、ユーザーが問いを立てた瞬間に必要な情報やタスク処理へ導く設計という。
「Cometは、これまで人々がブックマークや拡張機能に頼っていた作業を一つの知的インターフェースに統合する。複雑な調べものも会話のように進み、煩わしい作業は自動化される」とブログに記載された。
PerplexityはCometを通じ、検索から行動までのプロセスを一体化させる。商品購入や会議予約、要約作成など、思考から実行までを支援する機能が特徴。7月10日にはCEOのAravind Srivinasが「Android版も間もなく提供する」とXで表明。数カ月以内にさらなるプラットフォーム対応を進める方針だ。
Perplexityは「Cometは気になる言葉をハイライトすれば即座に解説を得られ、関連情報も自在に探求できる」と説明。ユーザーの思考文脈を学び、次の問いや行動を提案することで、知的生産性向上を後押しする構想を示した。
同社は「正確で信頼できる情報が最良の意思決定を支える」と強調。ブラウザー市場での覇権を握るGoogleに対抗するには、検索品質と思考支援の両立が鍵となる。Cometが「第二の脳」として認知されるかどうかが今後の焦点となりそうだ。