楽天グループは、経済産業省およびNEDOが推進する「GENIACプロジェクト」の一環として開発した新AIモデル「Rakuten AI 3.0」を発表した。
本モデルは、Mixture of Experts(MoE)アーキテクチャを採用した日本語大規模言語モデル(LLM)である。約7,000億個のパラメータを持ち、日本語に特化したLLMとしては楽天がこれまでに開発したモデルの中で最大規模となる。日本語版MT-Benchでは8.88のスコアを達成し、gpt-4o(8.67)を上回るトップ性能を記録した。
計算効率の面では、約7,000億個のパラメータのうち、個々のトークンに対して約400億個のみをアクティブ化する仕組みを採用。楽天エコシステムのサービスを支える試験において、他社の同規模モデルと比較して最大90%のコスト削減を実現している。
本モデルは「Rakuten AIゲートウェイ」の生成AI API群に加わり、「Rakuten AI」エージェントプラットフォームを通じて楽天のサービスに順次導入される予定だ。来春を目途にオープンウェイトモデルとしての公開も計画されている。
楽天グループのChief AI & Data Officerであるティン・ツァイ氏は「楽天では、小規模なベンチャー企業からグローバルな大企業まで、すべての人々に変革をもたらす高品質でコスト効率の高いモデルの開発に注力しています。これまでで最も競争力のある本モデルの導入により、楽天のサービスは新たな段階へと進化します」とコメントしている。

