「Be Smart Tokyo」報告会開催!育児支援から視覚障がい者ナビまで、最新スマートサービスが集結

ReGACY Innovation Group 株式会社は、26日、都内にて「Be Smart Tokyo (東京都スマートサービス実装促進プロジェクト)」報告会を実施した。

東京都が推進する「Be Smart Tokyo(東京都スマートサービス実装促進プロジェクト)」は、デジタル等の力を活用した都民のQOL(生活の質)向上に資するスマートサービスを社会に実装していく取り組み。令和4年度から始まり、都内全域をフィールドとして、スタートアップと東京都が連携し、スピーディーな実装を目指している。

「あわベビPro」が実現する次世代の育児サポート

特に注目を集めたのは、株式会社クロスメディスンが開発した「あわベビPro」。これは、AIが赤ちゃんの泣いている理由を推測するアプリで、独自に収集した膨大な泣き声データを深層学習技術で分析したという。その結果、泣き声を空腹や痛みなど11種類の感情に分類することに成功したといい、その推定精度は87%にも及ぶ。

アプリの使い方はとてもシンプルだといい、代表取締役CEOの中井洸我氏は、「赤ちゃんの泣き声を最短0.5秒から6秒間録音し、アプリに送信するだけ。するとAIが即座に感情を分析し、『お腹が空いている』『眠い』『不快感がある』といった状態を推定し、それに応じた対処法もレコメンドしてくれる」と説明した。

この技術は、世界中の赤ちゃんの泣き声データを収集・解析し、泣き声の周波数や声の揺れ方、パターンの違いを詳細に分析することで、より精度の高い感情推定を実現。中井氏は、「『赤ちゃんが泣く理由は国や文化を超えて共通するものが多い』という考えのもと、世界規模でのデータ蓄積を進めている」と語った。

すでにメディアでも紹介されており、多くの母親からは「子育てが客観的に見えるようになった」「赤ちゃんのミルクの量が足りているかなどが分かるようになった」といった声が寄せられているとのこと。

クロスメディスンはこの技術を活かし、法人向け福利厚生サービスとして「あわベビPro」を2025年3月26日より提供開始。産後の母親の7人に1人が産後うつを発症する現状を踏まえ、企業の福利厚生としての導入を推進することで、働く親の負担軽減を目指している。

「あしらせ」と「ナビレンス」が変える視覚障がい者の移動体験

イベント後半では、株式会社Ashiraseが開発した視覚障がい者向けナビゲーションデバイス「あしらせ」と、小田急電鉄株式会社との連携プロジェクトが紹介された。

靴に装着する振動デバイスを使ったナビゲーションシステム「あしらせ」は、スマートフォンのアプリと連携し、目的地までのルートを振動で伝えてくれる。従来の音声案内とは異なるとのことで、千野氏は「耳を塞がず、白杖の操作も妨げないのが特徴です」と紹介した。

さらに新宿西口ハルクでは、スペイン発の視覚障がい者支援アプリ「NaviLens」との連携実験が実施を予定。この「ナビレンス」は、建物内に設置された専用のカラフルなQRコードをスマホカメラで読み取ることで、音声案内を提供する仕組みで、これにより視覚障がい者がエレベーターやトイレ、目的の店舗までスムーズに移動できるようになるとのこと。

この連携の実証実験は、2025年4月16日(水)から12月14日(日)まで実施予定。具体的には、「あしらせ」の振動ナビゲーションで、新宿西口ハルクまでの屋外移動をサポート。「ナビレンス」のタグを活用し、エレベーターやトイレ、店舗情報など音声で案内。「あしらせ」と「ナビレンス」をアプリで統合し、建物入口から館内までスムーズに誘導する。

実際の利用者からは「外出のハードルが下がった」「初めて行く場所でも安心して移動できる」といった声が上がっているといい、千野氏は「特に『ナビレンス』のAR技術を活用した館内案内は、駅構内やショッピングモールなどでも応用が期待されている」と胸を張った。

報告会に参加した企業と事業概要

同報告会では、「女性活躍支援」「障がい者支援」「教育格差是正」といった社会課題の解決を目指す以下の5社(団体)が、それぞれの取り組みを発表していた。

・株式会社Cuel
女性のための経理、財務スクールを運営し、経理人材の育成と就業機会の提供。

・株式会社GATARI
3Dデータと独自のトラッキング技術を活用し、視覚障害者を含む誰もが快適に移動できるインクルーシブシティの実現を目指す。

・株式会社クロスメディスン
「あわベビPro」を開発し、AIによる育児支援サービスを提供。

・認定NPO法人CLACK
貧困等の困難を抱える中高生に対し、デジタル技術を活用した伴走支援。

今後も「Be Smart Tokyo」では、スタートアップと連携したスマートサービスの社会実装を推進し、都民の生活向上を目指すと語った。

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