3月26日、都内にて「食用油の新常識」に関するマスコミ勉強会が行われた。勉強会には北里大学北里研究所病院院長補佐・糖尿病センター長の山田悟氏、タレントの有野いく氏、お笑い芸人の井上ステーキ氏と山中伸之氏が登壇。「油脂こそはもっとも安全な栄養素」「オイルファーストという新習慣」についての解説や、ゲストを交えたトークセッションが行われた。



油の摂取は健康促進の第一歩
今までの栄養学では、油を食べたら高脂血症になる、動脈硬化症になると言われてきた。しかしタイムというアメリカのニュース雑誌では、1984年には「卵とバターを控えましょう」と書かれているが2014年には「バターを食べなさい」と全く正反対のことが書かれている。
低糖質食を低カロリー食と比較した実験では、約300人の肥満者を集め、油を控えてカロリーも控えるグループ、オリーブオイルを中心に油はしっかりと使うグループ、糖質だけ控え油やタンパクは無制限のグループに分類した。すると一番減量に成功したのは、糖質を控え、油やタンパクはしっかり食べるグループだった。 脂も控え、カロリーも控えるというグループはなんと最下位と驚きの結果に。
さらに、魚や植物性の油だけでなく、動物性の油もしっかり摂取して問題ないとのこと。相関図では、肉やバターなど動物性の油の摂取が多いと脳卒中の割合が少なくなり、逆に減らしてしまうと死亡率が上昇していた。これは65歳以上の高齢者でより顕著だった。
糖質制限を行うロカボの効果
ロカボの食べ方は、毎食の糖質を40g以下に抑えるというものだ。しかし糖質制限は緩やかであるべきだと提唱されている。極端な糖質制限を行うと、辛くなりその分リバウンドしてしまうのだ。糖質制限は緩やかなものの方が体重の減量効果も大きく、血糖値の改善効果も高い。
食事様式別の実験では、主食のみを食べたS食に比べ、カロリーをほぼ倍摂取している主食に主菜、油脂、野菜を摂取したSMFV食の方が血糖値の推移が緩やかであることが判明。糖質さえ控えれば、必要以上にカロリーを気にする必要がないことが明らかとなった。
さらに油による満足感によって、エネルギーの摂取量も管理できるという。山田氏は「油をしっかり食べていると、午前中のエネルギー消費がぐんと上がります。昼食時にお腹いっぱいなので、自由に食べたいんだけども、そんなにエネルギー摂取が増えず、コントロールできてしまうということです。 だから、オイルファーストなんですね」と解説。

ゲストを交えたトークセッション
「朝からあげ」について、有野氏は「普段から朝から揚げをとることが多くて、それを周りの人に話すと驚かれるんですよ。毎日唐揚げ食べてるのに、どうしてそんな体型維持できるのって。あと結構若く見られたり。今日お話を聞いて、そういうことか、やっぱりねっていう感じでした」と語る。

山中氏は「カロリー制限とか何となくはしたことありますけど、もう全然続かなくて。もう太ってもいいという覚悟でいっぱい食べるっていう生活はしてますが、本当だとしたらだいぶ救世主というか、すごいことだなと思います」とコメント。

朝オリーブ習慣について、井上氏は「今までオリーブオイルにはあまり興味がなかったんですが、サラダチキンとか意外と好きだったりするので、かけて食べたいですね。食事に油はプラスアルファしたら駄目なもんだと思ってたんで、かけていいっていうのは嬉しいです」と話した。

「朝オリーブ習慣」や「朝からあげ」で適切に油を摂取し、食事の満足感と健康を手に入れてほしい。