YKK AP、大東建託、NTTドコモ・ベンチャーズ、中部電力の4社が、トータルフューチャーヘルスケア株式会社(TFH)への出資を通じて、生活空間での急変や疾患リスクの早期発見に取り組むプラットフォームを立ち上げた。高齢化や独居世帯の増加に伴い、生活空間での転倒事故が増加している現状。また、認知症や糖尿病などの進行性疾患は潜在患者数が多いにもかかわらず、受診率が低い傾向にある。
最先端技術を活用した早期発見システム
早期発見モデルは、非接触のセンシングデバイスを住宅や介護施設に設置し、プライバシーを守りながらユーザーのバイタルデータや動きをモニタリングする仕組み。急変を検知した場合は家族や介護スタッフ、管理会社に通知し、必要に応じて救急要請を行う。また、疾患リスクを検知した際は、ユーザーにフィードバックを行い、クリニックや提携病院、オンライン診療の受診につなげる。このシステムは診断ではなく、ヘルスケア領域でのスクリーニングを目的としている。
TFHが中心となり、技術パートナーと事業パートナーを結ぶプラットフォームの役割を担う。技術パートナーには、Vayyar Imaging Ltd.、Binah.ai Ltd、PST株式会社などが参加。それぞれの強みを活かし、早期発見モデルの社会実装を目指す。YKK APは建材の知見を活かした開発と販売、大東建託は住宅・介護施設への実装、NTTドコモは通信インフラの提供とAIの活用、中部電力は電力データを活用したモニタリングサービスの開発を担当する予定。
現在、慶應義塾大学医学部の協力のもと、病院や介護施設、住宅での技術実証に着手している段階。最初の「急変の早期発見」モデルは2025年度の市場導入を目指すとのこと。