日本の業界企業の37%がデータ管理において持続可能性問題に対処せず

Blancco Technology Groupは、データ消去およびモバイルライフサイクルソリューションの業界標準のリーダーとして、新しい調査結果を公開した。

この調査は、「Sustainability Costs of End-of-Life Data」として1,800名(うち日本人300名)の回答を得て実施され、データの環境への影響やスコープ3排出量の測定状況に焦点を当てている。興味深い結果として、企業の86%がデータのライフサイクル終了時の処理方法において、環境持続可能性が高い~中程度の影響を受けていると感じている一方で、37%の企業がデータフットプリントの削減計画をまだ立てておらず、将来の規制へのコンプライアンス違反のリスクが懸念される。

さらに、環境保全の観点からグリーンウォッシングを防ぐべく厳格な規制が求められる中、調査に参加した日本の企業の49%のみが、自社のIT活動が環境に良い影響を与えていると信じていることが分かった。これは、日本の企業の半数以上が環境問題への取り組みに課題を感じていることを示唆している。

日本のヘルスケア&金融業界、持続可能性の罠に陥る?データ管理の重要性を認識する企業が50%

新たに公開したレポートによると、クラウド移行が日本の企業・組織の64%で冗長、陳腐、或いは些細なデータ(ROTデータ)の増加を引き起こしていることが明らかになった。

この増加は、特にヘルスケアと金融サービスの業界において、エネルギーコストの上昇とデータ保存の環境影響という二つの課題をもたらしている。保存データ量の増加は、電力消費と二酸化炭素の排出増加に繋がり、規制が厳格化する中、データの適切な管理が要求される一方、そのコストも増大している。

また、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の新基準に基づき、企業・組織の77%がスコープ3の排出量を計測していることが分かった。この中で、59%がサプライヤーやパートナーから環境影響の削減に関する報告を受け取っている。しかし、クラウド移行を実施している企業の中で、クラウドプロバイダーに環境影響の削減方法の報告を要求しているのは55%に過ぎない。さらに、企業・組織の44%は、クラウドプロバイダーがライフサイクル終了データを適切に管理していると信用していないことが判明。これは、データの管理と環境への取り組みにおいて、更なる透明性と改善が求められることを示している。

Blancco Technology GroupのAPACディレクター、森田将幸氏は、気候変動の危機について、その対処が要求する変化の規模は大きいものの、これをビジネスのチャンスとして捉えるべきだとの見解を示しました。森田氏は「日本の企業は、規制の厳格化や、データの過剰な蓄積がもたらす財務や環境へのコストを考えると、表面的な持続可能性の取り組みだけでは十分ではない」と指摘。さらに、持続的なサイバーセキュリティのリスクが増加している現代において、データの取り扱い方針の再評価が急務であると強調しました。

彼は結論として、企業が持続可能性の目標とコスト削減の両立を図るための戦略として、データフットプリントの削減が必要不可欠であるとの立場を明確にしました。これは、今後のデータ管理の方向性や企業の環境への取り組みにおいて、非常に重要な指針となるでしょう。

【スコープ3排出の定義】
スコープ 3 排出とは、報告を行う組織が所有または管理していない資産による排出のことを指し、例えばサードパーティのサービスプロバイダーが所有または管理しているものが該当します。これには、企業のサプライチェーンで発生する間接排出も含まれます。例えば、企業は資産をリースしている場合もあれば、製品がエンドユーザーによって廃棄されるケースもあり、当該組織の直接的な管理下にない環境要因が存在しますが、それでもなお影響を低減する責任があります

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