【概要】
山形大学の研究グループはJST STARTプログラムの支援を受け(研究代表者:硯里善幸)、少ロットから安価に生産可能な印刷パターニングによる有機EL表示パネルの開発を行ってきた。今回、高級家電の表示部をターゲットの一つと考え、コーヒーメーカーのモックアップ試作を行った。コーヒーメーカーのデザインは、大阪芸術大学 中川志信研究室が担当した。本試作品は、ナノテク展2023(2023.2.1~3、東京ビッグサイト)で展示される。なお山形大学では、本技術をベースとしたベンチャー企業の設立を目指している。
【研究内容】
山形大学は、「世界トップの印刷型有機EL技術」に加え、パネル化に必要な周辺技術においても高い印刷技術を保有している。JST STARTプログラムの支援を受け、低コストで少量多品種への対応が可能な「印刷型」有機EL表示パネルを達成するために、①印刷有機EL、②印刷配線・発光パターン形成、③印刷トランジスタの3つのキーテクノロジーの高度化を行なってきた。事業プロモーターであるQBキャピタル合同会社と連携し、IoT化等による多品種へのニーズに対し、少量多品種生産が可能な印刷型有機ELパネルの製造販売を展開するベンチャーの設立を目指している。
【Coffee maker 『Drop』】
高級家電の表示部をターゲットの一つと捉え、コーヒーメーカーのモックアップを作製した。コーヒーメーカーのデザインは、大阪芸術大学 中川志信教授、Weiyue Zhaoが担当した。有機ELの持つ特徴を活かした次世代コーヒーメーカー(Drop)をイメージしている。有機EL表示部は印刷によりパターニングされており、エリア駆動により、それぞれ個別に制御が可能である。