長崎県対馬市は、深刻な海洋ごみ問題の解決を目指し、「Ocean Good Art(オーシャン・グッド・アート)」という新たなプロジェクトでガバメントクラウドファンディングを開始した。目標額は350万円で、2025年1月19日まで寄付を募集中だ。
7割が海外からのごみ、処理が追いつかない現状
対馬市に漂着するごみの量は、全国の市町村の中で最多。年間で一般家庭のお風呂約16万杯分にあたる3〜4万立方メートルにも及ぶ状況。そのうち約7割が中国や韓国など海外から流れ着いたもの。
市は年間約2億8000万円もの予算を投じて対策を行っているものの、実際に回収できているのは全体の2割程度にとどまる深刻な事態。放置されたごみは、マイクロプラスチック化して海の生態系に悪影響を及ぼす可能性も指摘されている。
アートとテクノロジーを組み合わせた取り組み
このプロジェクトは、前回「対馬海ごみアート×NFT」として実施され、約338万円の支援を集めることに成功している。その際は、福岡のアーティスト「しばたみなみ」が対馬に滞在して作品を制作し、島内外8カ所での展示を通じて環境問題への関心を高めた。
今回のOcean Good Artプロジェクトでは、漂着物を活用した返礼品の提供も新たに予定。さらに、アート作品の証明書としてNFT(デジタル証明書)を発行し、将来的には購入者たちによる自主的な運営組織の構築も視野に入れているとのこと。