Anthropicは2026年3月24日、AI利用動向を追跡する「Anthropic Economic Index」の最新レポート「Learning curves(学習曲線)」を公開した。2026年2月のClaudeの利用データ約100万件を分析した本レポートは、AIの経済的影響を早期に把握することを目的とし、研究者や政策立案者に対して準備期間を提供することを意図している。

レポートの最大の発見は、Claudeの利用歴が長いユーザーほど会話の成功率が高い、という「学習曲線」の存在だ。6カ月以上Claudeを利用している高テニュアユーザーは、新規ユーザーと比較して会話の成功率が約5ポイント高く、タスクの種類や国、使用モデルなどの要因を制御した後も3〜4ポイントの差が残ることが確認された。Anthropicはこれを「使用による学習(learning-by-doing)」と解釈している。
利用パターンの面では、Claude.aiでの利用が多様化し、上位10タスクが占める会話割合は2025年11月の24%から2026年2月には19%に低下した。一方でAPIトラフィックでは、Claude Codeを含むコーディング作業が増加し、上位10タスクが33%を占めるなど集中度が高まっている。
地理的分布においても不均衡が続いている。米国内では各州間でClaude利用の収束が続いているものの、そのペースは鈍化しており、全米均等化には5〜9年かかると推計されている。グローバルでは上位20カ国が全人口比利用量の48%を占め、前回の45%から上昇した。
高テニュアユーザーは、仕事関連での利用が7ポイント多く、タスクに必要な学歴水準も高い傾向があり、AIをより「協調的に」活用している点が特徴的だ。利用上位タスクにはAI研究、gitオペレーション、論文修正、スタートアップ資金調達などが挙げられる一方、低テニュアユーザーに多いタスクは俳句の執筆や天気・スポーツ情報の確認といったシンプルな用途が中心だった。
Anthropicは、こうした経験格差が労働市場における不平等を拡大させる可能性を指摘している。早期採用者は高付加価値タスクでAIの恩恵を受けながら、同時にAIによる業務変容の影響も最も受けやすい立場にあるという。
https://www.anthropic.com/research/economic-index-march-2026-report

