帝国デーバンクは、「ジャニーズ」タレントをCM等に起用している上場企業65社を対象に、その起用動向について調査・分析を行った。
その結果、ジャニーズタレント起用の上場企業の2割超が今後「見送り」の方針を表明した。
広がるジャニーズタレント起用の「見直し」
広告や販促活動でジャニーズタレント起用の「見直し」が上場企業で広がっている。
自社のテレビCMなど広告や販促物にジャニーズタレントを起用した上場企業は、2023年以降で65社判明した。
このうち、9月13日時点で放映中のCMなどを「即時中止する」対応を示したのが6社、契約期間満了後に「契約を更新しない」が10社で、25%にあたる16社が「起用しない」方針を表明。
当初は続投方針を示したものの、一転して起用を見送るケースもみられた。
起用見直しの理由はいずれも「人権侵害・ハラスメントを一切容認しない」ことが挙げられた。
注目される今後の対応
上場企業では法令順守やガバナンスの厳格化が求められることに加え、人権意識の高い欧米市場などでは児童性加害問題で特に厳しい対応をせまられる。
そのため、欧米市場に展開するグローバル企業や機関投資家が多い金融機関などでは、レピュテーションリスクや取引停止リスク回避も目的に、ジャニーズタレントの起用見送りといった厳しい対応が続くとみられる。
ただ、「検討中」「続投」表明企業も多いほか、起用を見送る企業でも今後の被害補償対応次第など条件付きのケースが多く、完全解消には慎重な動きもある。
知名度が高いジャニーズタレントの起用見直しについて、各企業における今後の判断が注目される。