豊田通商、先進モビリティ、日本工営、みずほリサーチ&テクノロジーズの4社は、いすゞ、日野、三菱ふそう、UDトラックスと連携し、2024年11月5日から新東名高速道路において自動運転技術を搭載した大型トラックの走行実証を開始した。本プロジェクトは、国内の物流分野で深刻化するドライバー不足の解決を目指し、2026年度以降の社会実装を視野に入れたものだ。
自動運転レベル4トラックの実証実験
このプロジェクトは、経済産業省および国土交通省が推進する「RoAD to the L4」プロジェクトの一環で、自動運転レベル4を目指すもの。
自動運転レベル4とは、特定の条件下で人間の操作を必要とせず、システムが運転操作を完全に代替する技術である。今回の実証実験は、新東名高速道路の駿河湾沼津サービスエリアから浜松サービスエリア間で行われ、2021年度から進められている一連の実証活動の一部として実施される。
具体的な実証内容としては、運行開始・終了時における自動発着システムや、緊急時の自動制動機能、路側機器からの情報を活用した故障車や落下物の通知機能の確認を行う。また、遠隔監視システムの有効性についても検証する。これらの実証を通じて、安全性の向上および運行の効率化が図られる。
官民一体の取り組みで未来の物流改革へ
深刻化するドライバー不足や長時間労働などの社会的課題に対処することである。これまで、経済産業省および国土交通省の支援のもと、2016年から2020年にかけて後続車の運転席を無人化したトラック隊列走行の実証が行われ、基礎技術の確立が図られた。その成果を受けて2021年度から2025年度にかけて、単独無人走行の実現を目指し、より高度な実証活動が進行中。
今回の走行実証に携わるのは、豊田通商、先進モビリティ、日本工営、みずほリサーチ&テクノロジーズの4社で、それぞれが異なる役割を担っている。豊田通商が全体計画の推進、先進モビリティが車両システムの開発、日本工営が実証実験の運営を担当し、みずほリサーチ&テクノロジーズが事業性分析を担当している。また、いすゞ、日野、三菱ふそう、UDトラックスが商用車メーカーとして技術支援や運行条件の評価を行う。
2025年度には、実際の運行に近い環境下で、サービスエリアからの発車、本線合流、目的地での駐車までを含むより実践的な実証が予定されている。また、今後は経済産業省が推進するデジタルライフライン整備計画の一環として、自動運転車優先レーンを用いた実証実験も視野に入れており、技術とインフラを連携させた社会実装が進められる予定である。