群馬県の人気マスコットキャラクター「ぐんまちゃん」の公式Xアカウントが、特定政党への支持を示唆するような投稿を行い、大きな波紋を呼んでいる。
問題となった投稿は7月13日に行われ、「あなたの1票で群馬を変える」という文言とともに、ぐんまちゃんが両手を広げたイラストが添えられていた。この表現が、最近の選挙で話題となった参政党のポスターデザインと酷似していると指摘され、ネット上で批判が相次いだ。
SNS上では「行政のアカウントで特定政党を連想させる投稿はあり得ない」「公平性に欠ける」といった厳しい声が続出。一方で「単なる偶然では」「深読みしすぎ」という擁護の意見も見られた。

群馬県広報課によると、この投稿は人気アニメ作品のワンシーンをオマージュしたものだったという。しかし、時期が参議院選挙の直後だったことも重なり、意図せず政治的な文脈で受け取られる結果となった。
広報担当者は「アニメファンの若者層への訴求を意図した企画でしたが、配慮が不十分でした」と説明。投稿は速やかに削除され、別の公式アカウントから謝罪文が投稿された。
SNSマーケティングに詳しい専門家は「公的機関のSNS運用では、想定される様々な解釈に対する慎重な検討が必要。特に選挙期間中やその前後は細心の注意を払うべき」と指摘する。
本件を受け、群馬県は今後のSNS運用方針を見直す方針。ぐんまちゃんの投稿に対する事前確認体制を強化し、誤解を招く表現の有無をより厳密にチェックするとしている。
「かわいい」「ユニーク」と全国的な人気を誇るぐんまちゃん。今回の騒動は、行政機関のSNS活用における難しさを改めて浮き彫りにした形となった。
文/進藤昭仁