太陽ホールディングス株式会社の子会社でエレクトロニクス事業を担う太陽インキ製造株式会社が24日、太陽ホールディングス嵐山事業所内に技術開発センターを開設した。開設にあわせ記者発表会および施設内覧会も開催された。
地上6階からなる同施設は、同社エレクトロニクス事業における需要と社員の増加を背景に開設し、半導体市場の回復に合わせエレクトロニクス事業を更なる成長軌道に乗せることや人的資本経営を実現し企業価値を高めることを主な目的としている。
同施設には「『ヒト』と『ミライ』が化ける、新しい技術開発センター」というキャッチフレーズが使用されている。開設の目的の一つは「自律型人材」育成に向けた人的資本への投資であり、それにより半導体関連材料などのグローバルな技術開発力の強化・加速することを目指しているとのこと。「自律型人材」とは、「仕事のやりがい」「職場環境」「公正な評価・給与」の3つをバランス良く整えることで自ら目標を設定し、その達成のためのプロセスと成果の創出を楽しめる人材を指す。
同施設6階にあるホールにて行われた記者発表会にて、施設の名称が「InnoValley(イノヴァリー)」に決定したことが公開された。「InnoValley」とは、「革命の渓谷」を意味する造語で、社内公募した177件の中から選ばれた。”Inno”はInnovation(革新)の略であり、”Valley”(渓谷)は施設所在地と施設内の特徴にかかった嵐山渓谷を意味する。
「InnoValley」という名称にも表されている通り、施設の随所に所在地である埼玉県嵐山町の自然の魅力を感じられるような、地域特性を活かしたデザインが取り入れられている。1階エントランスには、嵐山町の自然を想起させるような小川和紙のカーテンが天井から垂れ下がり、4階から6階は、嵐山渓谷を感じさせるような吹き抜け空間となっている。
地上6階からなる同施設は、開発部門をはじめとした社員たちの意向を取り入れて設計されていて、知的生産性の向上とコミュニケーションの活発化のために低層(1-3階)と高層(4-6階)で異なる環境から構成されている。
ラボエリアとなる低層は、各材料室や実験室の行き来をスムーズにした回遊式導線となっているほか、各種最先端設備を導入し、主製品であるソルダーレジストや半導体関連材料をはじめとした基板周辺材料の開発・製造・評価までに要する時間が、従来の約3分の1に短縮される見込みとなっている。
オフィスエリアとなる高層は、働き方の多様化が進む中で注目される、次世代型オフィスデザインABW(Activity Based Working)エリアを2フロア分設けている。固定席と自由に使用できる席などに分かれていたり、ソファやクッションの席もあったりと、その時々の用途や気分に合わせて席を利用することができる。