遺品整理を業者に依頼した人の4割はトラブルを経験!「みんなの遺品整理」の調査結果に注目

株式会社LIFULL seniorが運営する、実家の片付け・遺品整理業者比較サイト「みんなの遺品整理」の調査によると、遺品整理・生前整理を作業業者に依頼した人のうち、なんらかのトラブル経験者は約4割という結果が明らかになった。

「みんなの遺品整理」によると、まさにこれからのお盆時期や帰省タイミングで遺品整理・生前整理の依頼を考える人は通常期よりも20%ほど増える傾向があるため、トラブルを未然に防ぐために気をつけるポイントを調査結果と共に紹介していきます。

1.遺品整理・生前整理を作業業者へ依頼した人の約4割がなんらかのトラブルを経験

作業業者に依頼したことでトラブルが発生したかどうかを調査した結果、約4割(36.2%)の人が何らかのトラブルを経験していることが分かりました。特に、作業が終わった後に理不尽な値上げを感じるケースが最も多く、遺品整理や生前整理業者の料金の不透明さについて疑問を持っている人が多いようです。

実際に消費者庁などにも、値上げや契約したサービスが実施されないなどのトラブルが多く報告されており、注意喚起が行われています。

【トラブル経験ありの回答内訳】※複数回答あり
「作業終了後に理不尽だと感じる値上げがあった」9.4%    
「請求金額に対し、極端にサービスのクオリティが低かった」と「不適切な価格での買取」8.6%
「物の破損・乱雑な作業」8.4%    
「片付けゴミの不法投棄」8.2%    
「契約に伴う強引な営業」と「物の紛失・盗難」7.4%    
「契約したはずのサービスがなかった」6.6%

2:約半数が追加請求をされた経験あり。20万円以上の高額請求事例も

作業業者からの「見積もり提示額」と「最終的な請求金額」の差額について調査したところ、約半数(47.2%)の人が追加請求をされた経験があることが分かりました。中には、20万円以上の高額請求をされた人もいます。一般的な遺品整理業者の相場価格は1R/1Kで30,000円~80,000円ですので、20万円以上の増額は非常に高額な請求です。消費者庁には、100万円以上の追加請求が寄せられる事例もありました。このような高額請求の場合、契約解除が難しい場合や、手付金がキャンセル料として扱われ返金されないケースもあります。

【回答内訳】

「+1~10,000円」9.7%
「+10,001円~50,000円」18.5%
「+50,001円~100,000円」9.3%
「+100,001円~200,000円」4.3%
「+200,001円~」5.4%
「追加請求なし」52.8%

3:作業業者に「遺品整理士」が在籍していたか依頼経験者の約6割が分からない、在籍していなかったと回答

遺品整理・生前整理を依頼した業者に「遺品整理士」が在籍していたかを尋ねたところ、約4割の人が「分からない、遺品整理士を知らない」と答えました(41.6%)。また、約2割の人が「在籍していなかった」と回答しました(23.6%)。この結果から、「遺品整理士」の認知度は低く、業者選びにおいて重要視されていないことがわかります。

しかし、「遺品整理士」は安心して遺品整理を進める上で心強い存在です。遺品整理士資格を発行している「一般財団法人 遺品整理士認定協会」は、業界の健全化のために2011年に設立されました。ただし、遺品整理士の定義や制度は明確に定まっておらず、業界全体の状況を把握するのも難しい状況です。協会では、遺品整理士養成講座や認定試験を実施し、適切な業者に資格を発行したり、モラルの低下を是正したりすることで、利用者が信頼できる業者を選ぶことができる体制を整えています。

【遺品整理士とは】
「一般財団法人 遺品整理士認定協会」によって設立された民間資格であり、遺族の代わりに部屋の清掃や不用品の仕分け・回収を行います。また、高齢者やその家族からは生前に遺品の整理に関する相談も受け付け、アドバイスを提供することもあります。

4.依頼理由第一位は「物が多く、自力では片付けられそうになかったから」

―次いで、「家が遠方にあり、片付けに行くのが困難だから」
―「家を引き払う必要があり、急いでいたから」が続く

遺品整理・生前整理を、作業業者に依頼する理由を聞いたところ、最も多い理由は「物が多く、自分では片付けられないから」(39.6%)でした。次に、「家が遠くて片付けに行くのが難しいから」(19.8%)、「家を引き払わなければならなくて急いでいたから」(19.8%)、「自分で片付ける時間がなかったから」(19.6%)という結果でした。

自分で片付けることが難しいために依頼する需要が最も多い結果となりましたが、遺品整理業者を選ぶ際には重要な情報収集に時間をかけることが大事です。特に「家が遠くて片付けに行くのが難しい」(2位)、「家を引き払わなければならない急な状況」(3位)などの家の引き払いに関するニーズが高いことが分かります。急を要する状況で業者を選ぶことは比較検討が難しいため、トラブルを防ぐことが難しくなるという、遺品整理ならではの事情も伺えます。

一般財団法人遺品整理士認定協会の長谷川正芳氏によると、トラブルを未然に防ぎ、優良業者を選ぶためには「相見積もりの実施」や「遺品整理士の在籍有無」「業者の対応」を確認することが大切。また、資格や許可の有無も業者選定時の判断材料になるため確認したほうが良いとのことでした。更に、「業者への問い合わせ=見積もり依頼とは考えずに、まずは相談だけでも複数業者に問い合わせてみると良いでしょう。弊協会にも、まずは相談だけ・・といった問い合わせは増えてきています。業者はたくさんいるため、どこに頼めば良いか迷った時は、弊協会や「みんなの遺品整理」へまずは問い合わせて、ご相談されることをおすすめします。」と注意点を教えていただきました。

お盆時期に実家の片付けを検討する方は、不要なトラブルに巻き込まれることを防ぐため、まずはこちらの注意点を確認のうえ、相談業者選びを進めることが重要そうです。

取材協力:
一般財団法人 遺品整理士認定協会 常務理事 兼 事務局長 長谷川正芳

⻑谷川 正芳氏

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