米Googleは12月3日(現地時間)、生成AIモデル「Veo」と「Imagen 3」の提供をGoogle Cloudのプラットフォーム「Vertex AI」にて開始すると発表した。
動画生成モデル「Veo」の概要と用途
「Veo」はGoogle DeepMindが開発した、テキストや画像から1080P高画質動画を生成できる最先端モデル。最大60秒の動画生成が可能であり、動きや視覚効果のリアルさが特長である。Veoは、これまで時間とコストがかかっていた動画制作プロセスを大幅に簡素化し、迅速なプロトタイピングや多様な映像スタイルへの対応を実現。
現在、プライベートプレビューとして提供中のVeoは、特に広告業界やエンターテインメント分野での活用が期待されている。例えば、旅行プラットフォームAgodaでは、Veoを活用し目的地のプロモーション動画を短期間で制作し、広告効果の向上を目指している。
画像生成モデル「Imagen 3」の進化
次週からすべてのGoogle Cloud顧客が利用可能となる「Imagen 3」は、テキストプロンプトから高品質な画像を生成するモデル。前バージョンに比べ、ディテールやライティングの精度が向上し、視覚的ノイズを大幅に低減。加えて、Imagen 3は編集機能も提供。テキスト入力による部分修正やマスク機能を用いた背景の変更、解像度の向上など、幅広いニーズに応える。さらに、企業向けにはブランドロゴや製品特徴を反映したカスタマイズ画像の生成も可能。
Googleは「SynthID」と呼ばれるデジタル透かし技術を全コンテンツに埋め込み、不正利用や誤情報の拡散を防ぐ対策を実施。また、安全フィルターやデータガバナンスの強化により、生成AI技術を安心して利用できる環境を提供する。著作権に関する保証も整備されており、企業は安心してコンテンツ生成に取り組むことができる。
食品大手モンデリーズ・インターナショナルでは、Imagen 3を活用して100以上のブランド向けに数十万点のカスタマイズビジュアルを短期間で制作。「Veo」を活用した動画制作の試験も進行中であり、マーケティング業務の効率化と品質向上が期待されている。
さらに、マーケティング大手WPPは、VeoとImagen 3を用いてコンテンツ制作プロセスを最適化。これにより、アイデアから完成品への移行がスムーズになり、クリエイターの負担を軽減しつつ質の高いビジュアルを提供できるとしている。
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