OpenAIは2026年4月16日、ライフサイエンス研究向けに特化した新AIモデル「GPT-Rosalind」を発表した。20世紀の英国人科学者ロザリンド・フランクリンにちなんで命名された同モデルは、生化学・ゲノミクス・創薬・トランスレーショナルメディシンの各分野における科学的ワークフローを支援することを目的として開発された。
GPT-Rosalindは、エビデンスの統合、仮説の生成、実験計画の策定など、創薬における初期段階の多段階リサーチタスクを支援する。研究者は同モデルを通じて専門データベースへの照会、最新の科学論文の解析、各種科学ツールの活用、新たな実験提案といった作業を効率的に行える。また、Codex向けに50以上の科学ツール・データソースと接続する無料のライフサイエンスリサーチプラグインも同時リリースされた。
ベンチマーク評価ではその能力が実証されている。バイオインフォマティクスと実データ解析を評価するBixBenchでは0.751のパス率を達成し、既発表スコアを持つモデルの中でトップクラスの成績を収めた。文献検索やプロトコル設計などを評価するLABBench2では、汎用モデルのGPT-5.4を11タスク中6タスクで上回った。さらにDyno Therapeuticsとの共同評価では、未公開RNAシーケンスの機能予測において、最良の提出モデルが専門家の95パーセンタイル超の精度を記録した。

同モデルはOpenAIの最新内部モデルをベースに構築されており、ChatGPT・Codex・APIを通じてリサーチプレビューとして提供される。ただし、リリースは米国内の適格エンタープライズ顧客を対象とした「トラステッドアクセス」プログラムに限定されている。アクセスを希望する組織は、公共の利益をもたらす正当な研究であることを示す資格審査と安全性審査を受ける必要がある。
生物学的な構造を再設計しうる強力なモデルの悪用リスクに対応するため、OpenAIは厳格なガバナンス体制を整備している。参加組織は厳密な不正使用防止策の維持とライフサイエンスリサーチプレビュー規約への同意が求められる。パートナーとしてAmgen・Moderna・アレン研究所・Thermo Fisher Scientificなどが参画している。ロスアラモス国立研究所とはAIを活用したタンパク質・触媒設計の共同研究も進行中だ。
https://openai.com/index/introducing-gpt-rosalind/

